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第54回 フィリーズレビュー 回顧

2020年3月15日(日) 1回阪神6日

 芝は土、日ともに稍重だったが、2400m戦を除けば内有利の馬場傾向。それにしても、1~7番の馬が7着まで独占するとは……。

 勝ったエーポスは出脚こそ鈍かったが、中団のラチ沿いを取れたことで脚が十分に溜まった。前半3F33秒4は過去10年で最速。流れは向いたが、坂を上がってからの伸びが鋭かった。前走のエルフィンSでは外枠から掛かり気味に先行。厳しい展開でも見せ場十分の④着だったが、あの内容が本物だったし、差す競馬になっても馬群を割ってきたように対応力、根性も十分。本番でも同じような立ち回りができればチャンスがありそう。

 ヤマカツマーメイドは阪神JF以来でもプラス2㌔で好仕上がり。レースも位置取り、追い出しのタイミングはバッチリに見えたが、今日に関しては相手が悪かったということ。実績通りの力は示し、こちらも本番に向けては視界良好。

 12番人気ナイントゥファイブが③着に入り、3連系の馬券では高配当の立役者に。スタートが速く、カリオストロにハナを譲る形で2番手に。上記のようにかなりのハイペースだったが、1番人気のカリオストロに半馬身競り勝った内容は褒められるもの。休み明けで歩様の頼りなさが残るなかでの好走で上積みはかなりありそうだが、1400mまでしか実績のない先行馬だけに、本番では距離延長と外回りで踏ん張れるかが課題に。

 カリオストロは枠順が発表された時にはいい枠を引いたと思ったが、結果的にハナに行かざるを得ない形となり、しかもハイペース。勝った2戦はともに高速決着だったので、緩めの馬場も粘りを欠いた要因か。

 フェアレストアイルは勝ち馬の1列前でいいポジションだったが、伸びはジリジリ。ゴール前で差を詰めた感じだったし、課題のスタートも克服したので1600mでの走りも見てみたい。

 8番より外の馬では上からケープコッド、アヌラーダプラ、マテンロウディーバの順となったが、総じて最後は流れ込んだだけ。ケープコッドは終始外を通った影響なのか、4角ではすでに手応え劣勢。馬場だけではなく1400mも長かったか。アヌラーダプラは鼻出血を発症していた影響が大きいだろう。いくら不利な外を通ったと言っても、最後はこの馬らしい回転の速いピッチがまったく見られなかった。マテンロウディーバは前2走とは違うハイペースで脚がたまらかったか。サトノクラウン、ポンデザールが近親にいる血統から、あと1Fくらいは距離が延びた方が良さそう。

text by 石井大

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。