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第38回 ニュージーランドトロフィー 回顧

 

 4月11日に中山競馬場で行われた第38回GⅡニュージーランドトロフィー(芝1600m・3歳・馬齢重量)はルフトシュトローム(単勝2番人気)がゴール前で差し切って優勝。デビューから無傷の3連勝で重賞制覇を成し遂げた。騎乗した石橋脩騎手は前週のダービー卿チャレンジトロフィー(クルーガー)に続き、2週続けての重賞勝ち。管理するのは美浦・堀宣行調教師。この結果、ルフトシュトロームシーズンズギフトウイングレイテストの3頭がGⅠ NHKマイルC(5/10・東京競馬場)の優先出走権を獲得した。ルフトシュトロームは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 大方の予想通りカリオストロがハナに立ちましたが、最内枠のカフェサンドリヨンも先制を目指して絡んできたため、2~3ハロン目が10秒9→11秒0のハイペースに。その後も12秒を超えるラップはひとつもなく、先行タイプには厳しい消耗戦となりました。

 

【レース分析】 勝ったルフトシュトローム(2番人気)はスタートが今ひとつでも慌てることなく後方グループを追走。4コーナーで外に振られるロスもありましたが、大きな影響は受けず、直線でエンジンがかかると上がり最速で伸びて、ゴール前では3頭での接戦を制しました。

 

「前が残るレースが続いていたので、ある程度の位置を取りに行く話を調教師としていましたが、スタートがゆっくりだったので、あのポジションに。それでも、ペースが流れていましたから慌てずに運べて、4コーナーからも手応え良く動いていけました。まだまだ良くなりそうですし、これからが本当に楽しみです」石橋脩騎手もレース後にコメント。GⅠ NHKマイルCに向かう場合、中山コースしか経験していない点などの課題はありますが、馬体やレースぶりから、むしろ広いコースは合いそうな可能性も感じますし、別路線からも有力馬が参戦してくるでしょうが、首位候補の1頭であることは間違いないでしょう。

 

ルフトシュトロームの4代血統表

 

 ②着シーズンズギフト(5番人気)もスタートは今ひとつでしたが、うまく内に潜り込んで行きたがるのをなだめる形。初めてのマイル戦にも対応して、徐々に外へ持ち出し、4コーナーでは①③着馬などを外に押し出す行儀の悪いところもありましたが、牡馬を相手に互角の走りができました。こちらも小回り向きの印象はないので、初の左回りが問題なければ、本番でも好走が期待できそうです。

 そして4コーナーで外に振られて、最もロスが大きかったのが③着のウイングレイテスト(7番人気)で、この馬は枠順も大外でしたから、勝ち馬と0秒1差は中身の濃い内容といえます。GⅡデイリー杯2歳S②着が伊達でないことを実証しましたね。本紙が中心視したハーモニーマゼランはハイペースの中で勝ちに行く競馬をして⑥着。結果論ですが、自在性のある馬だけに、もう少し脚をためる戦法の方が良かった気がします。自分が◎にしたカリオストロは序盤に内から絡まれたのが誤算でしたが、本質的にスピードタイプで、1400m以下の距離がベストなのも確かでしょう。

 

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・③着までの前走を見ると、勝ち馬は1勝クラス①着、②着馬はGⅢ③着(0秒4差)、③着馬はGⅢ⑥着(0秒9差)。1勝クラス組=②着以内、重賞組=勝つか、勝ち馬から1秒1差以内というのは今後も取捨の基準となる。

〇所属・・・今年は関東馬のワンツースリーとなって関西馬は全滅。連対した2頭は前走が中山の芝のレースに出走して①着、③着。来年以降、関東馬は前走で1.中山の芝のレース、2.③着以内、という2点を満たした馬を狙うようにしたい。

 


 
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