4月25日に福島競馬場で行われた第17回GⅢ福島牝馬ステークス(芝1800m・4歳以上・馬齢重量)を優勝したのはフェアリーポルカ(単勝3番人気)。馬場の内めから抜け出し、前走のGⅢ中山牝馬ステークスに続き、重賞を連勝。この勝利により、5月17日に東京競馬場で行われるGⅠヴィクトリアマイルの優先出走権を獲得した。騎乗したのは和田竜二騎手。この日は騎乗停止の処分が明けた初日。昨年11月以来となる福島への遠征で最高の結果を残した。管理するのは栗東・西村真幸調教師フェアリーポルカは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は山本剛士さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 戦前の予想通りモルフェオルフェが先手を主張し、外枠からランドネも積極的に前の位置を取って、前半4ハロンの通過タイムは47秒4。後半が47秒2ですから典型的な平均ペースで、道中で流れが緩んだのも4ハロン目の12秒6くらいのもの。上がりの速い瞬発力比べとはならず、小回りの中距離戦らしくスピードの持続力、ある程度の位置から動ける機動力が必要な展開になりました。

 

【レース分析】 本紙で◎に指名していたフェアリーポルカ(3番人気)が期待に応えてくれる走りで優勝。外枠でも2コーナーに入るあたりでは後方の内のポジションを取り、そこから馬群を捌いて抜け出す和田竜二騎手の見事な手綱捌きが光りました。

 

 

「いつも通り自分のリズム大事に乗りました。外を回ると甘くなるので、道中は内めを捌ければと思っていて、勝負どころも内を突きましたが、力をつけて一瞬で動けるようになっていますし、うまく前も開きました。2走前くらいから瞬発力がついて成長しています。距離もこのくらいが合います」和田竜二騎手もレース後にコメント。鞍上の好騎乗が第一の勝因でしょうが、馬も操縦性が一段と向上し、本格化してきたからこその重賞連勝ともいえます。次走がGⅠヴィクトリアマイルだと鋭さを要求されそうな点がポイントになりますが、もし、雨が降って道悪になった際には、大仕事も可能な予感がしています。

 

フェアリーポルカの4代血統表

 

 ②着リープフラウミルヒ(13番人気)の健闘には正直、驚きましたが、前走で3勝クラスの美浦S③着時には自分が◎にしていましたし、順調の強みと小回り向きの機動力を生かせたとすれば、この結果には納得する面もあります。大崩れしない堅実タイプでもあり、今後も常に注意が必要でしょう。

 ③着のランドネ(15番人気)はレース前に落鉄するアクシデントがあっての好走。フットワークが大きく、揉まれずに運べる外枠、そして積極的な騎乗ぶりに定評がある西村淳騎手を起用したのも噛み合った印象ですが、過去にもスイートピーS勝ちやGⅢ③着の実績がある馬。今回も展開に恵まれたわけではありませんし、のびのびと走れた際には一発があると考えるべきでしょう。

 今後に向けて強調しておきたいのは④着カリビアンゴールド(5番人気)と⑥着レッドアネモスのレースぶり。前者は前半、勝ち馬と同じような位置にいましたが、こちらは馬群の外を回る形になってしまい、結果的にコース取りの差が出た印象。良馬場なら重賞でも遜色ないことが確認できました。一方、レッドは序盤の1コーナーあたりでゴチャつく場面がありましたが、ゴール前の伸び脚は目を引きました。また、1番人気で⑫着のエスポワール、2番人気⑬着のデンコウアンジュは鞍上がゲート入りを待たされたこと、道中で他馬と接触したことを敗因に挙げているので、今回だけで見限らない方がいいでしょう。

 

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・③着までの前走を見ると、勝ち馬はGⅢ①着、②着馬は3勝クラス③着、③着馬はGⅢ⑯着。連対馬を選ぶ際の基準は重賞組に関しては上記通り、ただし、3勝級組は前走③着以内までは選択するのが無難だ。

〇メイショウサムソン産駒・・・今年のデンコウアンジュを含めて[2・1・1・4]。依然としてワイド率は50%となかなかの高さ。来年以降も、出走があれば注目したい。

 


 
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