9月5日に札幌競馬場で行われた第55回GⅢ札幌2歳S(芝1800m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はソダシ(単勝2番人気)が力強く抜け出して優勝。白毛馬によるJRAの芝重賞勝利は史上初の快挙。騎乗した吉田隼人騎手は今年の北海道シリーズでは3つめとなる重賞制覇。管理する栗東・須貝尚介調教師は13年レッドリヴェール、15年アドマイヤエイカンに続き、当レースは3勝目となりましたソダシは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人HD㈱。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 最内枠からピンクカメハメハがハナを切り、バスラットレオンウイングリュックと有力馬が2、3番手に続きました。隊列が決まってからもラップが緩むことはなく、1000m通過は59秒2。これは例年の札幌2歳Sと比較しても1~2秒も速いペース。レコード決着となったのも頷けます。

 

白さ輝くニューヒロイン誕生

【レース分析】 2010年以降、札幌2歳Sで連対した牝馬を列挙するとアヴェンチュラ、レッドリヴェール、マイネグレヴィル、ブラックオニキス、ロックディスタウンの5頭。このうち2番人気に支持されていたアヴェンチュラ、レッドリヴェールはその後にGⅠ制覇。つまり、高い支持を集め、牡馬を蹴散らして優勝した牝馬=GⅠ級の素材と見ることができます。2番人気に推されて勝ったソダシ。そのデビューは7/12。6/21に函館での初時計をマークし、そこから短い調整期間での出走。決して仕上がり切っていたわけではありませんでしたが、結果は完勝。「新馬戦は何とか間に合った感じ。使われたことで走りや動きがグンと良くなった」と函館・札幌で調教取材をする今野TM。状態を上げていたことがまず第一の勝因でしょう。

レースは1000m通過が59秒2。道中は最後方に構えていたユーバーレーベンが②着まで押し上げてきたように先行勢にはかなり厳しいペース。ソダシは好位の直後を進み、残り3ハロン地点で先頭を奪う積極的な立ち回り。並みの馬なら直線半ばで脚がなくなってしまうところですが、渋太く伸びてバスラットレオンを振り切ると、後続の差し脚も封じて優勝。しかも、レコードのおまけつき。底知れぬ能力を感じさせる勝ち方でした。

連勝できたように力がある

「瞬発力勝負になるより、長く脚を使わせる形にしたかったので、外枠から行けたことは良かったですし、②着馬に来られて早めに動くことになりましたが、よく凌いでくれました。2戦目でハミ掛かりが良くなってきたので、今後は口向きなどの課題が出てくると思いますが、連勝できたように力はありますから、順調に育ってほしいですね」吉田隼人騎手。ソダシはダートで活躍したブチコの娘ですが、大トビでフットワークは力強さがありながらも滑らか。一気にクラシック候補に名乗りを挙げた格好わけですが、血統背景からダートの走りも見てみたいと思う気持ちもありますね。今後の動向に注目が集まります。

 

ソダシの4代血統表

 

今年もゴールドシップ産駒が台頭

 ②着に食い込んだのも牝馬のユーバーレーベン(5番人気)でした。20キロ増と大幅に体が増えていましたが、これは成長分も含まれて重め感はなし。展開面を考えると出遅れて最後方を進む形になったのが奏功したわけですが、向正面から進出を開始し、長く脚を使って最後はソダシにクビ差まで迫りました。4コーナーでは外へ少し膨れるような面を見せるなどまだまだ若さを残していますが、こちらもポテンシャルはかなり高いですね。種牡馬デビュー初年度だった昨年のGⅢ札幌2歳Sではワンツーを決めたゴールドシップ産駒。今年も②着にユーバーレーベンが入ったように当レースとは相性抜群。来年以降も狙い目になりそうです。

 

 

 ③着バスラットレオン(1番人気)も中身の濃いレースでした。先行勢には厳しいペースを2番手追走。早めに追い上げてきた勝ち馬と残り1ハロン地点まで叩き合いを演じました。1000m通過が65秒台だった初戦とは異なる流れでも、好走できたのも収穫。敗れはしましたが、この経験は今後に生きるはずで、こちらも秋以降、更なる活躍を期待したいですね。3番人気ピンクカメハメハは⑬着。終始、バスラットレオンに突かれて厳しいペースになってしまいました。結果的にハナを切ったのが裏目に出てしまった印象です。デビュー戦は一旦、主導権を譲りながらも再加速して楽勝。センスのいい馬ですから控える形でも問題はないはず。大敗しましたが、見限りは早計です。非常にハイレベルな争いだった今年のGⅢ札幌2歳S。下位の着順だった馬も次走以降、注意が必要です。

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・①~③着馬はいずれも前走新馬組。3頭とも芝1800mに使われており、①、③着馬は後続を0秒4離して勝っていた。ただし、②着ユーバーレーベンの前走はハナ差の辛勝。来年以降、前走新馬組に関しては着差の部分の条件を撤廃した方が良さそうだ。

〇前走場所・・・②着馬の前走は東京が舞台。前走が函館・札幌だった馬が優勢なのは変わりないが、たとえ前走がそれ以外のコースでも割り引かない方が無難だろう。

〇レース間隔・・・①~③着馬のレース間隔は中7週、3カ月ぶり、中5週。前走がOP特別以外で中2週以内で出走した馬は⑤⑥着だった。

 

 


 
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