10月11日に東京競馬場で行われた第71回GⅡ毎日王冠(芝1800m・3歳以上・別定・曇り・稍重馬場)はサリオス(単勝1番人気)が優勝。2019年のGⅠ朝日杯フューチュリティS以来となる勝利を挙げました。騎乗したC.ルメール騎手はゴールする際、軽くガッツポーズ。楽々と後続を3馬身離し、初コンビを組んだ名手も唸る勝ちっぷり。管理する美浦・堀宣行調教師は2010年アリゼオ、2011年ダークシャドウに続くGⅡ毎日王冠3勝目。この結果、優勝したサリオスがGⅠ天皇賞・秋の優先出走権を獲得しました。サリオスは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 押してトーラスジェミニがハナを奪い、コントラチェックが2番手を追走。トーラスジェミニ自身はハイラップを刻んで飛ばしましたが、大きく離れた3番手のダイワキャグニー以降はちょうどいい平均ペース。前過ぎず、後ろ過ぎない3、4番手あたりがウイニングポジションに。

 

余力を残して年長馬を一蹴

【レース分析】 パドックに姿を現したサリオスを見て、まず驚いたのが、逞しさを増した馬体。全体にボリュームアップしましたが、腹回りに緩さはなし。プラス10キロはすべて成長分と見ていいでしょう。そして、春は頼りなかった後ろ肢の踏み込みが深く、力強さを増していました。レースはスタートを決めて4番手を追走。ムキになって前を追いかけようとせず、折り合って運べました。直線に向いて鞍上が軽く促しただけで、瞬時に加速。前を走るダイワキャグニーを並ぶ間もなく抜き差って先頭に立ちます。残り100m付近でムチが入ると、3馬身とリードを広げてゴール。まさに文句なしの快勝。まだまだ余裕を感じさせる走りながら後方から追い上げたカデナよりも速い上がり3ハロンをマーク。本気で走ったらどこまで伸びたのか。より輝けるステージに降り立ったサリオス。無限の可能性を感じさせる勝利でした。

 

 

「完璧だったし、馬が凄くいい競馬をしてくれた。いいスタートを切ったので、すぐに内田ジョッキーの後ろにつけて冷静に走れたし、息も入れられた。このポジションを取れたので、勝てる自信があった。凄いパワーを感じたので、坂まで我慢をして少しずつ加速していったけど、馬場が緩い中でも最後まで集中して走れたよ」C.ルメール騎手もその走りを絶賛。次走に注目が集まる。

 

サリオスの4代血統表

 

東京では堅実なダイワキャグニー

 ダイワキャグニーはGⅢエプソムカップ以来の実戦。去勢明けでしたが、馬体重はマイナス2キロ。大きく減ることはなく、上々の造り。またイレ込みも気になりませんでした。好走要因は何といっても、前を深追いせず、離れた3番手でしっかりと折り合って走れたこと。敗れましたが、今回に関しては勝ち馬を素直に褒めるべき。サンレイポケットに交わされることなく踏ん張った点は評価できます。またGⅢエプソムCに続いて好走と東京コースもぴったりですね。

 

 

 ③着のサンレイポケットはサリオスを前に見ながらレースを進めました。直線に向いてからは一旦、離されてしまいますが、反応は鈍いものの、じわじわと加速し続けるこの馬らしい脚を見せてダイワキャグニーに肉薄。今後も、直線の長いコースに出走してきた際は必ずマークが必要ですね。

 

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇レース間隔・・・勝ち馬、②着馬とも前走が同年6月以前だった。

〇東京実績・・・サリオスは2歳時に東京芝1600mでGⅢ勝ち。またダイワキャグニーは前走で東京芝1800mのGⅢエプソムカップを勝利。来年も2つの条件を満たした馬を買えば、大当たりは間違いなし!?

 

 


 
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