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第77回 桜花賞(G1)回顧

 2017年4月9日(日)2回阪神6日に行われた第77回桜花賞(G1)。優勝は8番人気のレーヌミノル(栗東・本田)。本田厩舎はこれがG1初勝利ですね。本田調教師自身は騎手時代にテイエムオーシャンで勝っています。馬主の吉岡實さんも初めてのG1勝ちですか。テン乗りだった池添騎手はいい仕事をしました。2着に武豊騎手のリスグラシュー(栗東・矢作)。3着には単勝1.4倍と断然人気だったソウルスターリング(美浦・藤沢和)。結果的には昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ1~3着で決まりました。また、リスグラシューソウルスターリングはチューリップ賞の上位馬で、改めて親和性の高さが証明された感じ。それではレースラップです。

1.34.5(12.7 – 10.9 – 11.1 – 11.8 – 11.8 – 11.5 – 11.9 – 12.8)

 当日は7Rまで重馬場。9Rから稍重馬場で行われました。レースは好スタートを切ったベルカプリがそのままハナへ。2番手にショーウェイがついたところに、外からヴゼットジョリーが交わしていきます。2ハロン標を過ぎたところで大外枠のカワキタエンカが一気に前に出て、後続を引き離していきました。パトロールで見ると顔を外に向けながらほぼ真っ直ぐに走っているのが分かりますね。2~3ハロン目のラップ11秒0、11秒3は馬場状態を考えるとかなり速いです。テン3ハロンは34秒7。2番手以降は35秒後半あたりではなかったかと思われますが、直前の10R古馬オープン1400mで35秒5、47秒2、58秒6ですからこれも速いです。レーヌミノル自身は35秒7─23秒4─35秒4と考えればほぼ平均ペース。5番手から楽な手応えで直線へ。粘るカワキタエンカを交わすと、そのまま後続の追撃を封じてゴール。ラスト1ハロン12秒8はほぼ同馬がマークした格好で、きついレースだったことが窺えます。全体的にはスピード勝負からの消耗戦といったところでしょうか。牝系にロイヤルスキー、タイキシャトルと掛け合わされて、お父さんがダイワメジャーというスピード血統。お父さんを彷彿とさせるレースぶりでした。

 リスグラシューレーヌミノルの後ろ、ソウルスターリングの内側といった位置。少し反応が悪かったですが、逆にスンナリと2頭の外へ出すことができましたね。ラスト1ハロンで後方から追い込んできたカラクレナイと併せる形になってグイグイと脚を伸ばし、半馬身差まで追い詰めましたが、個人的には着差以上の差があったように思えます。ソウルスターリングは個人的にスタートしてすぐにオヤッ?と思いました。想定していたイメージだとレーヌの位置こそこの馬のポジションだと思っていたものですから。直線は何度も手前を替えて思うように伸びません。敗因は道悪?確かに道悪もあったのでしょうが、休み明けの前哨戦が走り過ぎたかなと。これで3年連続で単勝1倍台の1番人気が負けました。いずれも関東馬。ルージュバックはきさらぎ賞で圧巻のパフォーマンス。メジャーエンブレムはクイーンCを圧勝。3歳牝馬で前哨戦を走り過ぎ、その上で関西までの輸送ということを考えると決して楽ではないことが推察されます。来年以降もこの点は注意しておきたいですね。

 向正面から離れた後続集団を形成していた4頭が4、5、6、12着。2番人気のアドマイヤミヤビが12着。ここまでスローの瞬発力勝負ばかり。今日は流れが忙しかったですね。4コーナーでは早くもムチが入っていました。オークスでの挽回に期待しましょう。カラクレナイは抑え込んで後方から。勝負どころ~直線と前が邪魔になってちょっと動きづらそうでした。進路を見つけて追い出すとグイグイ伸びましたが、最後の坂でジリッぽくなって4着。それでも、走る馬ですね。アエロリットは序盤少し行きたがりましたが、後方でうまくなだめて直線は大外へ。この着差ですから頑張ったと思います。ディアドラは最後方から直線に賭ける競馬をして、馬群を縫う感じで伸びてきました。上がりはレース最速の34秒9でしたが、6着まで。

text by 小林 

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