12月26日に中山競馬場で行われた第37回GⅠホープフルS(芝2000m・2歳・牡牝・馬齢重量・晴れ・良馬場)はダノンザキッド(単勝1番人気)が優勝。20年のコントレイルに続き、無敗でのGⅠ制覇を成し遂げた。鞍上の川田将雅騎手、管理する栗東・安田隆行調教師は当レースがGⅠ格上げ後、初勝利ダノンザキッドは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱ダノックス

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 タイトルホルダーがハナを主張しなかったため、内のランドオブリバティが主導権を握る形。前半1000m通過は61秒9という荒れた馬場を考慮しても、それほど速くはないペース。結果は好位で脚をためて運んだ2頭によるワンツーとなりました。

 

今年も無敗のGⅠホースが誕生

【レース分析】 ダノンザキッドはパドックでは二人曳きでしたが、決してテンションが上がることはありませんでした。2度目の東上でしたから落ち着いてレースに臨めましたね。スタート後、自然体で好位まで押し上げると、3コーナー手前から進出を開始。逃げるランドオブリバティが外へ逸走したため、直線に向いてすぐ先頭に立つ形になりましたが、集中して駆け抜け、終わってみれば②着のオーソクレースに0秒2差をつけて完勝。まさに1番人気らしい立ち回りからの横綱相撲でしたね。デビュー戦では多少、幼い面を見せており、今回は4コーナー、直線と手前変換が決してスムーズではなかったわけですが、GⅠ制覇。初めての1周競馬にもこれに難なく対応。無敗のまま来年のクラシックへ向かいます。

 

馬体が離れた内のオーソクレースを引き離したダノンザキッド(撮影:yu~kun)

 

「前回感じた不安な点をスタッフの方が上手に調整してくれて、いい形で競馬を迎えられると思える素晴らしい調整をしてくれました。道中のリズムはあまり良くなかったし、出入りの激しい競馬で3、4コーナーではこの馬自身うまく走れませんでしたが、それでも何とか勝ってくれとお願いをしながら追っていました。これまで新しい課題が見つかりながら結果を残してきましたが、それらを改善しながら、よりいい競馬ができるように歩んでいきたいです。師匠とともにやっとGⅠのタイトルを取れたことを、今日は嬉しく思います」川田将雅騎手

 

ダノンザキッドの4代血統表

 

敗れるも収穫あったオーソクレース

 オーソクレースはスタートが決まったこともあり、過去2戦とは違い、好位の内で積極的な立ち回り。比較的、ゆったりとしたペースでしたからこのポジション取りが大正解。惜しまれるのは直線の入り口。前を走るランドオブリバティが外へ逸走したのに驚いたのか逆手前となって外へ膨れてしまいました。しかし、そこから立て直して再び追い出されるとしっかりと伸びて②着確保。初黒星を喫したわけですが、レースぶりに幅が出たのは収穫でしたね。スムーズに立ち回れていれば際どい勝負になったはず。ダノンザキッドと完全に勝負付けが済んだとはまだ言い切れず、こちらも成長余地は十二分に残されています。③着はヨーホーレイク。スタートでランドオブリバティと接触する場面。その後は無理をせず後方に控えると折り合って上手に走りのリズムを整えました。このあたりは流石、武豊騎手。緩いペースを考慮して向正面から徐々に進出。3、4コーナーの手応えは抜群。直線に向いて馬群がバラけるとすかさず外へ持ち出し、勝ち馬の直後へ。最後は脚が鈍ってしまいましたが、鞍上の意のままに動けるのは魅力。今回はデビュー以来、初めての良馬場、多頭数という条件でも脚を使うことができました。

 

 

 ランドオブリバティはスタートでヨーホーレイクと接触。ここでエキサイトし、行きたがってハナを切る形に。先頭に立ってからはうまく抑えが利いていたように見えましたが・・・。3、4コーナーの半ばで逆手前に替わり、そこから外へ外へと膨れて制御不能に。落ち着いた楽なペースだった分、気を抜いてしまったのでしょうか。ランドオブリバティ自身は大事に至らなかったようですが、騎乗した三浦騎手は振り落とされて負傷を負ってしまったのは心配。大きな課題が露呈したわけですが、芙蓉Sの勝ちっぷりの良さからも高性能なのは明らか。アクシデントは残念ですが、立て直して今度は能力をフルに発揮する走りを見せてもらいたいものです。

 

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・馬券に絡んだ3頭の前走を見ると①着馬=GⅢ①着、②着馬=芝1800mのOP特別①着、③着馬=芝2000mの1勝クラスでクビ差①着。③着のヨーホーレイクは着差の面で条件を満たしていませんが、①②着馬は好走馬の条件をきっちりとクリアしていた。

〇所属・・・今年は関西→関東→関西で決着。関東馬で連対を果たしたオーソクレースルメールJが騎乗。やはり外国人騎手が騎乗している関東馬は信頼できる。

〇萩S優勝馬・・・該当するシュヴァリエローズは残念ながら⑤着。それでも、掲示板はしっかりと確保。来年以降、軸候補としては推しづらいが、買い目には必ず加えたい。

 

《ホープフルS 2015~2019》

 

 


 
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