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第61回 京成杯 回顧

 

 1月17日に中山競馬場で行われた第61回GⅢ京成杯(芝・内回り2000m・3歳・別定・曇・良馬場)はグラティアス(単勝1番人気)が内から鋭く抜け出して優勝。騎乗したC.ルメール騎手は2019年、ラストドラフトに騎乗して勝利しており、当レースは2勝目。管理する美浦・加藤征弘調教師は当レース初勝利。グラティアスは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱スリーエイチレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 どの馬も主導権を奪いに動くことはなく、最内枠に入り、スタートも良かったタイムトゥヘヴンが押し出されるようにハナを切りました。レース前半はゆっくりと流れて1000m通過は63秒7という超スローペースに

 

 

センス良し!無傷で重賞制覇

【レース分析】 グラティアスは1コーナーに入ると、逃げたタイムトゥヘヴンの直後のポケットに入り折り合いに専念。デビュー戦は逃げ切り勝ちでしたが、控える形、かなり遅いペースでも脚が溜まっていました。4コーナーから直線入り口にかけて先頭を走るタイムトゥヘヴンが馬場のいい部分を求め、外側に持ち出し、ヴァイスメテオールに併せにいったことで、ぽっかりと内側に出現した進路を通ることができました。確かに展開や位置取りが奏功しての好走である面は否めませんが、抜け出す際の脚は非常に速く、上手にレースができたようにセンスの良さは高い評価が必要でしょう。新馬戦以来、3カ月ぶりの実戦で10キロ増と馬体は成長。また均整の取れた造りをしており、素材の良さを再認識させられました。

「馬の後ろで我慢ができて、リラックスして走ることができました。今日は馬にとっていい勉強になりました。直線では素晴らしい手応えで、能力を見せてくれました。トビの大きい馬ですが、加速をしてからすぐにトップスピードに届いて今日は楽勝でした。新馬戦から比べると馬体が大きくなって、少し大人になっていました。これから改善していけばGⅠにも挑戦できると思います」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。今回は1勝馬同士の争いでしたが、終わってみれば2馬身半差をつけての完勝。賞金を加算し、ゆとりのあるローテ―ションでクラシック本番に向かえるのは大きなアドバンテージ。姉は2歳女王レシステンシア。一気に主役候補へと躍り出る可能性を秘めています。

 

グラティアスの4代血統表

 

成長が期待される良血タイムトゥヘヴン

 ②着タイムトゥヘヴンはテンションが上がらず、本馬場入場では滑らかな身のこなし。中2週続きのローテーションでも、いい形でレースに臨めたのではないでしょうか。ラスト1000m付近から徐々にペースを上げ、後続の馬たちに脚を使わせるような逃げ。ただ、今回に関しては勝ち馬が強力でしたね。個人的にこれまで見てきたキストゥヘヴンの仔は少し気難しい面がある印象。このままメンタル面も成長し、無事にキャリアを積み重ねてもらいたいですね。

 ③着テンバガーは4カ月半ぶりの実戦。大型馬でも体は仕上がっており、冬場ですが、動きに柔らかさもありました。4コーナーで外を回らされるロスがあり、直線ではタイムトゥヘヴンが外へ動いた影響でヴァイスメテオールに前に入られましたが、渋太く脚を伸ばしました。本命に推したタイソウはモーリス似の逞しい体の造り。叩いた分も上積みも感じられました。スローペースの中で、ポジションを取りに動いて2番手追走。ただ、ペースUPすると追走に余裕がなくなって⑥着敗退。現時点で力が足りなかったということ。見立てを誤り、申し訳ありません。

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対馬の前走を見ると、勝ち馬は前走が新馬(芝2000m)。そして②着馬は前走が未勝利戦(芝2000m・後続に1秒4差)。ともに連対馬の条件を満たしていた。

〇レース間隔・・・タイムトゥヘヴンは中2週のローテーションながら②着。来年以降は出走間隔による取捨は行わない方が賢明だろう。

〇キャリア・・・連対馬はキャリア1、3戦。既に5戦を消化していたラカンは⑩着に敗れた。

〇東京新馬V+ルメールJ・・・2019年①着ラストドラフト、2020年②着スカイグルーヴに続き、グラティアスが勝利し、これで3年連続で連対。今後も該当馬は連軸として期待できる。

 

 

《京成杯 2016-20》

 

 


 
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