2021年4月17日(土) 2回阪神7日

 今年はあいにくの雨、重馬場で行われたアーリントンカップ。制したのは単勝1番人気に推されたホウオウアマゾンでした。デイリー杯2歳S②着の実績はありましたが、重賞勝ちはこれが初めて。騎乗した川田将雅騎手はアーリントンカップ初勝利ですが、この勝利で4週連続JRA重賞勝利となりました。管理する矢作芳人調教師もこのレース初勝利で、先週のニュージーランドトロフィーに続き2週連続の重賞勝利。更にJRA通算700勝達成となりました。

 シンザン記念を逃げ切った2番人気のピクシーナイトが今回も逃げて、ホウオウアマゾンが2番手でマークする形。前半は34.7‐47.0の平均ペース。道中の動きも少なく淡々と流れました。

 勝ったホウオウアマゾンは朝日杯FS以来で体重は4㌔減。見栄えはあまりしないものの、太め感のない仕上がり。レースでは地力でピクシーナイトを負かしにいって、そのまま押し切る横綱相撲でした。当然、NHKマイルカップの有力候補ですがそれだけではなく、古馬になって良くなる母系で体質面の弱さもあるとのこと。今年の秋や来年以降の成長力にも期待できます。

 リッケンバッカーはスタート後にかなり仕掛けて好位を取りました。直線でしばらくは進路がなく仕掛けが少し遅れましたが、最後の伸びは上位の中で一番。未勝利戦を勝ったばかり、前々走で人気を裏切った時と同じ道悪での好走には驚きましたが、未勝利戦②着時の勝ち馬はルークズネスト、サルファーコスモスでどちらも接戦。この結果はフロックではなさそうです。

 ③着にはレイモンドバローズが入り、ここまでの3頭にNHKマイルカップの優先出走権が与えられました。好位で行きたがる面を見せましたが、前に壁を作ってなんとか我慢。仕掛けてからの反応は良かったですが、長く脚を使うという点で②着馬には劣った感じでした。課題と能力の高さの両面が今回でハッキリとしましたので、今後の成長次第で大きいところも狙えそうです。

 ピクシーナイトは今回もスタートを五分に出て、その課題は完全にクリアしましたが、4角までスムーズだった割に最後はあっさりと交わされてしまいました。大型馬でも道悪は不得手なのか、左回りの方がいいのか定かではありませんが、福永騎手は「先を見据えた仕上げで、上積みはしっかりと見込めると思います」とコメントしているように、本番はひと味違うのではないかと思われます。

 ワールドバローズは3番手を追走。加速に時間を要する分が上位との差となって出ましたが、渋太く粘って掲示板は確保。リッケンバッカーと同じ1勝馬でありながらの好走。追い切りでもよく動くので、素質の一端を見せたと言っていいでしょう。この先が楽しみです。

text by 石井大輔

 

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