6月20日に東京競馬場で行われた第26回GⅢユニコーンS(ダ1600m・3歳・別定・曇り・重馬場)は単勝7番人気に支持されたスマッシャーが中団から鋭く差し切って優勝。騎乗した坂井瑠星騎手は当レース初勝利。管理する栗東・吉岡辰弥調教師はJRA重賞初勝利となった。スマッシャーは北海道浦河町宮内牧場の生産馬。馬主は㈱ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 外枠からカレンロマチェンコが先頭に立ったものの、これを交わしてプロバーティオ
東京マイルで末脚爆発!
【レース分析】 前日から降り続いた雨が残り、この日の東京ダートは不良スタート。なかなか乾かず、非常に走りやすい状態。こういった馬場ですと、差すにしても道中で外、外を回っては厳しく、結果は内めをロスなく立ち回って脚をためていた馬が上位に食い込みました。
スマッシャー(単勝7番人気)は中団の内めを手応え良く追走。1400mだった前走の端午Sは急かしながら運んでいた姿から一変。距離が延びたこと、そしてひと叩きされて状態が上向いていたのも奏功し、余裕を持ってレースを進めることができました。直線に向くと、馬群の切れ目から馬場の真ん中へ持ち出し、素晴らしい伸び。思い出されるのは初勝利となった1月の中京戦。当時も軽いダートでしたが、後続を7馬身離して圧勝。左回り、脚抜きのいい馬場という条件はマッチしているのでしょう。
「1400mで勝ってきましたが、終いの脚がしっかりしている馬で、1600mは間違いなく合うと思っていたし、自信を持って乗りました。レースはアクシデントがありましたが、しっかり前を見て冷静に走れていましたし、スムーズにいきました。進路が出来てからは前に届くと思いました。未勝利を勝った時からここを目標にしてきましたし、素晴らしい馬です。マイルの距離もこなせたので、まだまだ伸びしろがあるように思います」とレース後に坂井瑠星騎手はコメント。歴代の勝ち馬には後のダートGⅠホースが並ぶ出世レース。スマッシャーも今後の飛躍に期待が集まります。
粘り腰が光ったサヴァ
サヴァ(単勝14番人気)は外枠を生かし、揉まれない2、3番手に陣取ることに成功。かなりの急流でしたから積極的に追いかけてしまうとバテてしまうものですが、最後まで渋太く粘って②着。遡ると初勝利は京都のダート1400m戦。不良馬場の中、好位から抜け出し、2歳レコードをマーク。勝ち馬と同様に今回のような馬場の適性が高かったのも好走の要因と考えていいでしょう。③着ケイアイロベージ(単勝3番人気)も勝ち馬と同様に、内で脚をためて、伸びてきました。ただ、スタート後に寄られる不利がありながら気持ちを切らさずに走れた点は評価できますね。初めてとなるコーナー2回の舞台設定での健闘。クインズサターンの弟ですから、今後も東京ダ1600mでの活躍を見込んで良さそうです。
本命に推し、個人的にも注目していたルーチェドーロ(単勝2番人気)は④着。芝スタートだと出脚が付かない面を考慮すると大外枠を引けたのはプラスと捉えていましたが、結果的には外を回って追い上げる形になった分だけ伸びを欠きました。この点は馬場状態も含め、自分の予想力の無さを痛感。それでも、道中での距離ロスがありながら上位争いに絡んだのは高い能力があればこそ。次走だけでなく、今後も追いかけたい素材です。1番人気ラペルーズはスタートで外へヨレてしまい、直線では外を回ったにしても伸びは案外。ペルーサの産駒で、父同様、高いポテンシャルを秘めていながらもメンタル面が鍵になるタイプのようですね。休ませて心身ともフレッシュな状態に戻れば大きく変わっても驚けません。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】 〇前走クラス・・・①~③着馬の前走を見ると、勝ち馬はOP特別③着、②着馬はOP特別⑨着、③着馬は1勝クラス①着(②着に0秒6差)。②着馬の激走を考えると、OP特別組に関しては前走着順による取捨は避けたい。 〇前走距離・・・今年は1400m組→1800m組→1800m組で決着。勝ち馬の前走は阪神コースが舞台。1400m組に関しては前走が東京以外でも割り引かない方がいいだろう。 〇青龍S組・・・今年の勝ち馬ゲンパチフォルツァは⑪着と完敗。それでも、青竜S創設後で見ると、2頭に1頭は馬券に絡んでいる。来年も懲りずに狙ってみたい。
《ユニコーンS 2016-20》 |