2021年6月20日(日) 3回阪神2日

 金曜の夜から土曜にかけて雨が降り、土曜の芝は重。日曜は晴れて稍重から始まり、1つ前の10Rには良馬場になった。8R3歳以上1勝級1600mで1.34.3。10R3歳以上3勝級1800mで1.46.6だから、開幕週における時計としては標準~少しかかるくらい。それを考えると2.00.4は遅い。レースはスローで上がりの競馬。10番人気のシャムロックヒルが逃げ切る波乱となった。終始絡まれることなく、自分のリズムで逃げられたことが最大の勝因。ハンデの恩恵もあった。極端な内有利ではなかったが、フラットな状態だっただけに最短距離で回ってこられたアドバンテージも少なくなかったはず。デビュー11年目の藤懸貴志騎手は嬉しい重賞初勝利。謙虚な勝利ジョッキーインタビューは実に印象的だった。これで馬単は4年連続で万馬券決着。西の着眼を担当している石井俊宏はコラム的中と、荒れる牝馬重賞で穴党の面目躍如。

 クラヴェルは後方で折り合いに専念。大外を回してレース最速の上がりで伸びてきたが、僅かに及ばず。まるで10Rアカイイトのレースを再現したような騎乗ぶり。最内を通った馬が上位に来る競馬で強い競馬をしている。今回は初めて在厩のまま続けてレースに使ったきたが、それだけ体調も良かったのだろう。心身ともに充実してきた。

 シャドウディーヴァは道中は中団のインで脚を溜める競馬。コーナーワークで前との差を詰めて、4角では勝ち馬の直後を確保。直線でもスムーズに勝ち馬の外に出せたし、これは完全に勝ちパターンかと思われたが、意外に伸び切れなかった。やはり右回りだとまだ少しモタれる面があるし、今回は上位と斤量差もあった。

 アンドラステは馬群の外で前に馬を置けず、折り合いに苦労していた。直線に向いて先頭に立ちかけたが、そこから伸びを欠いたのは道中の折り合いとハンデ差だろう。骨折明けで初めての距離2000mを考えると頑張っている。

 イズジョーノキセキは中団でうまく脚が溜まっていたように見えたし、直線外から一瞬伸びかけたが、終い勝負に徹した京橋Sのようにはいかなかった。もっと軽い馬場の方が良さそうにしても今ひとつ。1番人気のソフトフルートは⑧着。プラス10㎏は太く映らなかったし、ペースを考えると位置取りは悪くなかったはずだが、京橋Sと同じような競馬になってしまった。

text by 小林  

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