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第56回 関屋記念 回顧

 8月15日に新潟競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第3戦第56回GⅢ関屋記念(芝1600m・3歳以上・晴れ・良馬場)は単勝4番人気のロータスランドが2番手から抜け出して優勝。騎乗した田辺裕信騎手は2014年のクラレントに続く関屋記念2勝目。また管理する辻野泰之調教師にとってはこれがJRA重賞初勝利となった。ロータスランドは米国・Dr.Aaron Sones&Dr.Naoya Yoshidaの生産馬。馬主は合同会社小林英一HD

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 先手争いからマイスタイルが抜け出してハナを奪取。すぐに隊列が決まったことで、平均ペースに落ち着きました。逃げたマイスタイルが小差の④着に粘っていた点からも基本的には前で運んだ馬に有利な展開でした。

 

光った厩舎・鞍上の手腕

【レース分析】 ロータスランドはサマーマイルシリーズには皆勤賞となる3戦目の出走。コンスタントに実戦を重ねていても、キビキビと活気あふれる周回。好調をキープしていました。スタート、ダッシュともに速く、スッと2番手のインを確保。直線は逃げるマイスタイルの内を突き、ラチを頼らせたことで、脚いろが最後まで衰えませんでした。高いレベルで状態を維持させた厩舎、そして完璧に乗った田辺裕信騎手。両者の手腕が光りましたし、すべてがうまく噛み合っての勝利。

 

田辺騎手は今回が初騎乗であったが、見事にエスコート

 

「前の馬を楽に交わせましたが、1頭になるとフワフワすると聞いていたので、最後まで気は抜けませんでした。ただ、直線も余力十分に走れていましたね。最初からあの進路を狙っていたわけではなかったのですが、ラチ沿いを走らせた方がまっすぐ走ると思っていたんです。馬場のいいところに出すことも考えましたが、ずっとインを走っていた中で外へ持ち出すとロスがありますから、あの進路で頑張ってくれればと思っていました。厩舎でもいろいろと細かく教えてきたと思うので、それがレースに生きたのでしょう。水分を含んだ馬場もプラスになったのかもしれません。まだ全力で走り切れていないというか、フワッとしているところがあります。もう少し頑張れてもいい手応えの中で勝ったので、強い相手でもそれなりにやれそうですよ」とレース後に田辺裕信騎手はコメント。サマーマイルシリーズは京成杯オータムハンデを残すのみとなりましたが、この勝利により、ロータスランドはシリーズ王者へ大きく前進(現在2位のアンドラステが京成杯AHで勝利すれば逆転可能)しました。

 

ロータスランドの4代血統表

 

復活へ!カラテが大きな一歩

 パドックに登場したカラテ(単勝6番人気)は体を大きく使えており、一歩一歩、力強い歩様。安田記念は順調に使えない中での出走。その後は立て直し、いい状態に戻っていました。中団を追走し、1番人気のソングラインをマーク。結果論にはなりますが、じっくり構えた分だけ差し届きませんでしたが、渋太く脚を伸ばし、最後はソングラインを競り落としました。展開を考えると改めて地力の高さを示した格好。

 

▲ロスを抑えて内ラチ沿いの進路を選択した田辺騎手の好判断がロータスランドを勝利に導いた。

 

 1番人気ソングラインは、馬体が増え、一段とボリューム感が出て気力も充実。いい仕上がりでした。ゲートを出たなりに中団に陣取って折り合いに専念。前を射程圏内に入れながら、馬場のいい外に出して直線は弾けそうな手応え。ただ、“良”に回復したとはいえ、水分を含んだ緩い馬場で、いくらか瞬発力を削がれた面もありました。今回は年長馬の壁に跳ね返された形ですが、1番人気を背負い、厳しいマークを受ける中でのレース。敗れたもののこの経験は今後に必ず生きるはずです。

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走がGⅢ⑤着で条件をクリア。しかし、②着馬はGⅠ⑬着から大きく変わった。来年以降、前走GⅠ組に関しては前走着順は不問で狙いたい

 

 

 

 

《関屋記念 2016-20》

 

 


 
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