2021年9月5日(日) 4回小倉8日

 前2年が重馬場で前半33秒4、33秒9だったから、今年の良馬場33秒6はそこまで速くない。それでも、前が残れなかったのは小倉1200mにしては珍しく、瞬発力勝負になったから。レース上がり34秒3は過去10年と比べても最速。

 この上がり勝負を制したのはナムラクレア。前哨戦のフェニックス賞は不良馬場で1分10秒台の決着。スタートで出遅れて向正で脚を使い、好位に取り付いて押し切ったように力はあったし、良馬場といっても最終週の荒れた馬場は良かったはず。今回はスタートを決めて、道中はじっくりと脚をためることができたし、外枠で終始馬場の良いところを通れた。自身の上がり33秒9はレース最速。直線は横一線の大外から豪快に差し切り、鞍上の浜中俊騎手は負傷した和田竜二騎手の代役を見事に果たした。

 このレースはヘイローのクロス持ちがよく上位に来るのだが、1着は勿論、2着のスリーパーダもこれに該当した。外枠の馬が上位を占めたのも偶然ではないだろう。スタートはひと息の上に両側から挟まれる形で後方から。道中はかなり行きたがっていたが、なんとか内で宥めて運ぶ。他馬が荒れた内を嫌う中、勝負どころはガラリと開いた内を突いてショートカット。若さを見せながらも能力と鞍上の好リードで②着を確保。

 アネゴハダは大外枠のスタートで外にヨレて出る。終始、勝ち馬を見る形で直線へ。勝負どころで置かれ気味になったが、直線は勝ち馬の更に外に出してグイグイと伸びてきた。初芝で勝負どころの反応の差が出たとはいえ、よく走っている。

 2番人気のインプロバイザーは5着。頭数は決して多くなかったが、これまでの2戦と違って馬込みで揉まれる形になってリズムが悪かった。気性面の成長が望まれる内容だが、それだけに伸びしろも残している。1番人気のショウナンマッハは、まさかの失速。初戦同様、ハナを切る形だったが、終始ラチ沿いを通れた前回とは違った。馬場の悪い内を嫌っての逃げで、ラチを使えなかった分もあったはずで、こちらも力負けとは考えにくい。

text by 小林  

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