4月8日(土曜)に中山競馬場で行われた第41回GⅡニュージーランドトロフィー(芝1600m・3歳・馬齢重量・曇り・稍重馬場)は2番人気に支持されたエエヤンが優勝。管理する美浦・伊藤大士調教師、騎乗したM.デムーロ騎手とも当レースは初勝利。この結果、エエヤンウンブライルシャンパンカラーの3頭がGⅠ NHKマイルカップの優先出走権を獲得した。エエヤンは北海道新冠町須崎牧場の生産馬。馬主は㈱ニッシンホールディングス

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めたドルチェモアが他馬の出方を窺いながら、無理に抑えず主導権を握る形に。内からサンライズジークが続いて前後半の4ハロンは46秒5~47秒2ですから全体の流れとしては平均の部類。ただ、5ハロン目が11秒2と速く、その後は12秒前後のラップが続いたように先行タイプに有利な流れにはならず、かといって極端に差し馬向きでもない、スピードの持久力が要求されるような消耗戦となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったエエヤン(2番人気)は10キロ減の体重でも細くなった感じはありませんでした。気合をつけて好位のポジションを取ったので前半は馬が行きたがっていましたが、ちょうどラップが速くなった5ハロン目あたりで折り合いがつくと、その後は前を見る形でスムーズな追走に。直線を向くと馬場の中ほどから手応え良く抜け出して、後続にも付け入る隙を与えませんでした。

 

 

 「調教師さんと相談して、出たなりの競馬をしようと。リズムを崩したくなかったけど、スペースができたら持っていかれて、そこに行くしかなかったです。それでも、馬なりで上がっていって、最後までいい脚を使ってくれました。初めて調教に跨った時からいい印象があった馬で、この先も楽しみです。2000mくらいまでは対応できるでしょう」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。これで中山のマイル戦で3連勝、使う毎に時計も詰めているので成長も確かですが、今後に向けてはレースの前半で見せた掛かる面が課題でしょう。そこさえクリアできれば東京で速い上がりの競馬になっても対応できると思えますし、距離に関しても融通が利くようになるでしょう。勿論、現段階で次走がNHKマイルCだとしても、切れ味よりも持久力が生きる馬場、展開になれば、チャンスは十分にありそうです。

 

エエヤンの4代血統表

 

 ②着ウンブライル(5番人気)は後方待機から馬群の外を追い上げ、直線でも坂上からしっかり伸びて連対圏に突入。ゴール前で脚勢が鈍った前走との違いはブリンカーを着用したことで、本番を前に課題をクリアできたことは大きいですね。東京の軽い芝なら鋭さを増す可能性も大きいので、長い直線でも末脚の切れ味が持続するようなら楽しみです。③着シャンパンカラー(7番人気)は前走の京成杯から距離を詰め、スタートは決して良くありませんでしたが、好位を確保する競馬で本番への切符を獲得。勝ち馬の直後から最後まで渋太く脚を伸ばしていましたし、マイルなら戦法に幅があることを改めて示しました。派手さはありませんが、適距離なら常にマークが必要なタイプといえます。

 

 

 ④着モリアーナ(3番人気)は外枠から馬群の外を回る形になり、結果的には一旦先頭から詰めを欠いたクイーンC③着と同じように競馬に。③着馬とはコース取りの差もあって出走権を逃しましたが、関東圏のレースなら、それほど折り合いに不安がないことは確認できました。今後も上手にためが利いて、鋭さを生かせる形になるかがポイントでしょう。⑤着ミシシッピテソーロ(14番人気)は相変わらずギリギリに見える馬体ながら、直線の伸びは目につきましたし、⑥着のルミノメテオール(4番人気)も一瞬は鋭く伸びて、最後に脚いろが鈍ったのは馬場の悪い内を通らされていた影響が考えられますから、次走以降も目の離せない存在といえます。一方、1番人気で⑦着に敗れたドルチェモアは今回が年明け緒戦でしたし、馬のメンタル面を考えると前哨戦で無理に控える競馬をしなかったことも納得。結果的には稍重の馬場状態や終始、マークされるような展開も応えたでしょうし、序盤で2番手にいた馬が⑮着に失速していますから、仕方のない面も。本番に向けても、あまり評価を下げない方がいいかな、という印象を持ちました。

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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