10月9日に東京競馬場で行われた第7回GⅢサウジアラビアロイヤルC(芝1600m・2歳・馬齢重量・曇り・良馬場)は単勝1番人気の支持に応え、コマンドラインが早めに先頭に躍り出ると堂々と押し切った。騎乗したC.ルメール騎手は2018年のグランアレグリア以来となる当レース2勝目。管理する美浦・国枝栄調教師はサウジアラビアRCは初勝利。コマンドラインは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 前走と同様にロードリライアブルは抑えが利かず、2番手を少し離す形の逃げとなりましたが、ペース自体は4ハロン通過50秒0の超スロー。レースの上がり3ハロンは33秒8と瞬発力勝負になり、直線を向くまでのポジション取りの差が最後に明暗を分ける結果となりました。
人馬一体!快進撃はまだまだ続く
【レース分析】 コマンドライン(単勝1番人気)は馬体重がプラス10キロでも太い感じはなく、夏を越してひと回り成長した姿で登場。レースでも序盤は5番手を追走していましたが、ペースが遅いと判断した鞍上がポジションを上げて3コーナーでは2番手。直線を向いてから先頭に立つと、しっかりと脚を伸ばして後続を振り切りました。
「凄く嬉しいです。勝てて次が楽しみになりました。ゲート内でチャカチャカしていて出遅れましたが、戦前から2戦目なので後ろから競馬がしたいと思っていたんです。ただ、すぐにペースが落ち着いたので、動いていきました。直線でもずっと反応してくれていましたよ。②着馬もいい馬だと分かっていたので集中を切らさず、馬もゴールまでしっかり伸びてくれました。これでクラシックに向かえますし、まだ伸びしろがあってレベルアップできると思うので、大人になれば楽しみです」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。確かにエンジンの掛かりが遅かったデビュー戦と比べて成長が窺える内容でしたし、馬体などから受ける印象もマイラータイプではありませんから、距離が延びれば更に良さか出る可能性は高いでしょう。今後の動向に注目したいですね。
敗れたが収穫あったステルナティーア
②着のステルナティーア(2番人気)は当日輸送に替わっても、体重が4キロ減なら許容範囲内。テンションの高さも気にならない程度で、道中は3番手で折り合いに専念。先に動いた勝ち馬をマークする形で最後まで前を交わせませんでしたが、しっかりと連対を確保して能力の高さを示しました。こちらも心身ともに良化の余地を残している印象なので、今後が楽しみなことは変わりありません。
③着が個人的に当日版の紙面で◎に推したスタニングローズ(3番人気)で、体重が8キロ減でも全体に締まった感じで好気配。レースでは直線を向いたところ前に②着馬、横に④着馬がいたので進路ができず、少し追い出しが遅れました。上がりはメンバー中最速でしたから内容的には上位馬と遜色なく、賞金加算ができなかったことは残念ですが、評価を下げる必要はないと考えています。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】 〇前走クラス・・・東京芝1600mで新馬勝ちしたコマンドラインが見事に①着。②着は新馬戦で後続に0秒5差をつけたステルナティーアが入り、新馬組がワンツーを決めた。③着にはGⅢ組のスタニングローズが入り、結論で推奨した馬単、3連単がヒット。コラム「データから推す」は秋の東京開催で好スタートを決めた。
《サウジアラビアRC 2016-20》 |