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第26回 秋華賞 回顧

 

 

2021年10月17日(日) 4回阪神4日

平均は京都 2021年は阪神

 前半61秒2、後半60秒0、上がり36秒5。前日の北國新聞杯が60秒2、59秒9、上がり36秒9。前日の夜から雨が降り始め、土曜日は3.5ミリ、日曜日は7.5ミリの雨量。朝には雨が上がり、メインレースは良馬場で行われましたが、前日よりも時計がかかる馬場でした。レースはゆったりとした入りで、1000m過ぎから徐々にペースアップし、残り800m~400mが11秒5、11秒3とラップが最も速かった区間。レースが早く動いたことで、ラスト2ハロンは苦しくなりなした。

 単勝1.9倍の1番人気ソダシは⑩着に敗れるという波乱。ゲート内で暴れたそうですが、母ブチコもゲートに課題を残していただけに心配ですね。ただ、レースでは好枠を生かして単独2番手を確保することができました。道中のリズムも悪くなく、4角に入り、「さぁこれから」となりましたが、そこからの伸びが今ひとつ。前をいくエイシンヒテンに並びかけることもできず、馬群に沈んでしまいました。2度の坂越えが問題視されましたが、坂の前から既に反応が悪かったですし、直接的な敗因とは思えません。それよりもゲートで示したような気性の悪さが現れてきた点が一つ。もう一つは単純に距離が長い可能性があります。もともと距離がギリギリだったところに、前有利の馬場で自分から先頭に立った札幌記念と、タフな馬場で他馬が作り出すペースについていった今回とでは適性が占める割合が違っていたはず。地力は世代トップクラスであるのは間違いないので、次走以降の巻き返しに期待します。

 勝ったのは4番人気のアカイトリノムスメ。共に馬主は金子真人HD(株)。断然1番人気がぶっとんでも別の馬でG1を勝つとは恐れ入りました。そういえば、「同一馬主の複数出しは人気薄から」なんて昔の格言がありましたね。結果的に良い枠に入ったと思います。あまり内だとゴチャつき、これより外だとファインルージュのように位置取りが悪くなる可能性がありました。道中は外めの好位の後ろ。なんの不利もないスムーズな競馬で力を出し切れました。今年の春二冠すべてで唯一④着以内に入った実力、仕上がりの良さ、スムーズな立ち回りと勝つべくして勝ったと言えるでしょう。

 ファインルージュはスタートは普通でしたが、外のアナザーリリックに前に入られて後方から。直線では手前が替わらないままでしたが、大外から脚を伸ばして、上がりはレース最速。結果的には勝ち馬との位置取りの差が出た感じです。③着にも人気の一角であるアンドヴァラナウトが入りました。エイシンヒテンがハナへ行き、他の3、4枠馬が速くないこともあって、スッとソダシの横につけられました。あとは抑えて内のソダシを先に行かせて、それをマークする形になるはずでしたが……。誤算だったのはソダシとの間をアールドヴィーヴルに取られたこと。勝負どころでは外に勝ち馬がいたことで外にも出せず、狭い内を突くしかありませんでした。理想はアールドヴィーヴルのポジションでしたね。上位3頭は実力的に差がありませんでした。枠順をガラガラポンすれば順番が変わるぐらいの差。

 大舞台でも自分の競馬ができたエイシンヒテンが④着。タフな馬場でしたが、早めの仕掛けから頑張っています。現状では右回りの方がいいでしょう。この日の阪神芝はエイシンヒカリ産駒が2勝していたことにTwitterでも触れましたが、そこは偶然にしても10番人気で大健闘でした。スライリーは「今回は思い切って脚をためる形で。折り合いひとつでいいところがあるはず」といった陣営の談話通り、行く気はなし。1角で少しステラリアに迷惑をかけながらも、中団後方のインを確保。スムーズに折り合って、ロスのない立ち回りで、直線は勝ち馬の進路をトレースする感じで伸びてきました。ユーバーレーベンは正直なんとか出走に漕ぎつけたといった感じ。逆に言えば、上がり目を残していると言えるでしょう。

text by 小林  

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