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第69回 府中牝馬S 回顧

 

 10月16日に東京競馬場で行われた第69回GⅡアイルランドトロフィー府中牝馬S(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定・曇り・良馬場)は単勝4番人気のシャドウディーヴァがゴール前で差し切って優勝。騎乗した福永祐一騎手は2001年のマルカキャンディ以来、当レースは2勝目。管理する美浦・斎藤誠調教師は初勝利となった。シャドウディーヴァは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈱スリーエイチレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通りローザノワールがハナを奪い、1000m通過は59秒4。この日の馬場コンディションを考えるとスローペースだっと見ていいでしょう。

 

▲パドックを歩くシャドウディーヴァ(撮影:yu~kun)状態の良さも手伝い、重賞制覇を成し遂げた。

 

力を出し切ったシャドウディーヴァ

【レース分析】 シャドウディーヴァ(4番人気)はハツラツとした周回で、踏み込みが深く、身のこなしも滑らか。申し分のない状態に映りました。スタート後、スッと控えて後方待機策を選択。直線に入って大外に持ち出すと、左ステッキでモタれる面をうまく矯正しながら、弾けるように伸びてきました。レースの上がり3ハロンを1秒3も上回る末脚は圧巻。ペースなども考慮すると、クビ差という着差以上の強さでしたね。3度目の騎乗で、能力を最大限に引き出した福永騎手はさすがでした。

 

 

「今日が3度目の騎乗だったんですが、前の2回が勝てていなかったので、今日は何としてでも期待に応えたいと思っていました。コンディションがいいと聞いていたし、自信を持っていきました。流れの中であの位置からになりましたが、ある程度流れていたし、有力馬を見ながら、いいリズムで走れることができました。マジックキャッスルやドナアトラエンテ、マルターズディオサを見ながら進路を内か外を考える中で外を選択しましたが、最後までしっかり走ってくれましたし、勝てて良かったです。以前はゲートの中の駐立が不安定なところがありましたが、今日は安定していましたし、スタートは心配していませんでした。今後はGⅠにチャレンジすると思いますが、距離は延びても問題ないですし、ますます飛躍してほしいです」福永騎手はコメント。ゲートやモタれる面など課題をクリアし、いよいよ完成期を迎えたハーツクライ産駒。更なる活躍を予感させる勝利でした。

 

シャドウディーヴァの4代血統表 ハーツクライ産駒の牝馬といえば、リスグラシュー、マジックタイムが代表的。着実に力をつけて5歳になっての重賞制覇はいかにもこの血統らしい。

 

立て直して一変したアンドラステ

 アンドラステ(5番人気)は少しうるさい面を見せましたが、いい意味で気持ちがピリッとしていました。いま思えば、関屋記念は夏場3戦目ということで、疲れもあったのかもしれません。ローザノワールを行かせて、がっちりと2番手をキープ。展開もバッチリと噛み合い、完全に抜け出したのですが。今日は勝ち馬が一枚上だったということでしょう。マルターズディオサ(8番人気)は動きに柔らかみがあって、馬体の張りや艶も上々。状態、気配は良かったですね。脚をためて後方を追走。直線は勝ち馬と併せるように伸びてきました。先行勢に有利な展開でしたから追い込んでの③着は立派です。

 

 

 本命に推したサトノダムゼル(13番人気)はキビキビとした周回で、馬体はきっちりと仕上がっていました。2コーナーに入る段階では3番手にいたのですが、外からデゼルに来られてポジションを1列下げざるを得ませんでした。直線ではしっかり伸びて見せ場。馬券に絡むことは出来ませんでしたが、上位争いに加わって夢は見れたので満足しています。

 

 

 

                          

text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対した2頭の前走はGⅢ関屋記念。勝ち馬は2番人気、②着馬は3番人気に支持されていた。GⅢ組に関しては来年以降は④着以内か1~3番人気なら連対可能と条件を緩和したい。

〇実績・・・勝ったシャドウディーヴァは昨年の当レースで②着。②着アンドラステは中京記念(芝1800m)を勝っていた。今後も芝の中距離重賞での連対歴は要チェック。

 

 

 

《府中牝馬S 2016-20》

 

 

 

 

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