11月7日(日曜)に東京競馬場で行われた第59回GⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は単勝1番人気に支持されたオーソリティが3番手から堂々と抜け出し、昨年に続く連覇を達成。騎乗したC.ルメール騎手、管理する美浦・木村哲也調教師とも当レースは昨年に続く2勝目。オーソリティは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
▲レース動画はコチラをクリック
【展開・ペース】 ボスジラが主導権を握り、2番人気のアンティシペイトは同じ国枝厩舎でもあり、極端にプレッシャーをかけることはせず、2番手に控えました。前半1000m通過は昨年より3秒6も遅い63秒4。流れが落ち着きましたから直線一気は難しく、ポジション取りが明暗を分けました。
東京で見せる走りはGⅠクラス
【レース分析】 レースの上がり3ハロンは34秒1。後方を進んだ馬にはノーチャンスと言える展開でした。1番人気のオーソリティはスタートを決めると、3、4番手を追走。遅い流れでも上手に折り合っていました。直線に向いて残り2ハロン標識を過ぎたあたりで軽く仕掛けて先頭。そこからも脚いろは鈍らず、終わってみれば②着に2馬身半差をつけました。②~⑤着がコンマ2秒差の中に収まったように、スローペースですと着差が開きづらいもの。それを考えれば2馬身半差は大差といっても過言ではないでしょう。
「久々で彼のコンディションが少し心配でしたが、厩舎スタッフが凄くいい仕事をしてくれました。直線に向いた時の手応えは良かったですし、長く脚を使うタイプで少しずつ加速していきました。坂を上がってからはトップスピードになって、最後まで止まりませんでした。この馬で重賞を勝つことができて嬉しいです」とC.ルメール騎手はコメント。これで東京コースでは重賞ばかりを使って①①②①着。見せるパフォーマンスはGⅠ級。間隔がグッと詰まりますが、ジャパンカップに出走してもらいたいと感じたのは私だけではないはずです。
新味を見せたマイネルウィルトス
味なレース運びを見せたのはマイネルウィルトス(4番人気)ですね。スタートがゆっくりで序盤は後方を進んでいましたが、2コーナー付近で中団まで進出。遅い流れの中で動いても、その後は行きたがる面を見せず、流れに乗れていました。このあたりはM.デムーロ騎手の手腕も光りましたね。これだけのスローペースですから、早めに押し上げたのは大正解。初距離、上がり勝負に対応しての②着は値打ちがあります。
③着はマイネルウィルトスと同じスクリーンヒーロー産駒のフライライクバード(3番人気)。道中はオーソリティをマークするようなポジショニング。直線に向いてからは鋭さで見劣って勝ち馬に引き離されましたが、そこから渋太く伸びて③着確保。重賞でも上位争いできることを証明しました。⑤着ディアマンミノル(7番人気)にも触れたいですね。不向きな展開に加え、外を回るロスもありましたが、脚を見せて②着とはコンマ2秒差まで追い上げました。小回りでも、直線の長いコースでも、確実に伸びてきます。展開に左右されますが、今後も必ず印を回したいタイプです。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】 〇前走クラス・・・勝ち馬は前走GⅠ⑩着。②着馬は前走GⅡ④着とどちらも条件をクリアしていた。 〇レース間隔・・・今年も前走が5月のレースだったオーソリティが優勝。今後も夏場を休養させたフレッシュな馬を狙うのが良さそうだ。
《アルゼンチン共和国杯 2016-20》 |