1月5日(水曜)に中山競馬場で行われた第71回GⅢ中山金杯(芝2000m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はレッドガラン(単勝4番人気)が好位から鋭く抜け出して優勝。騎乗した斎藤新騎手、管理する栗東・安田隆行調教師ともに当レースは初勝利。レッドガランは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は㈱東京ホースレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ハナを切ったのは出脚の速かったシャムロックヒル。ロザムールは抑えて2番手を確保し、インの3番手にトーセンスーリヤ。スンナリと隊列が決まったことでゆったりとしたレースの入りに。しかし、向正面でジェットモーションが後方から2番手までポジションを上げたことでグンとペースUP。表記はスローペースでも逃げ・先行タイプは息が入りづらく、その後ろの好位がウイニングポジションとなりました。
7歳にして重賞ウィナーの仲間入り
【レース分析】 レッドガラン(4番人気)は冬場にしては毛ヅヤが冴えており、気配の良さも目立っていました。マイルを主戦場にしてきた馬ですが、久しぶりの2000mでも上手に折り合って好位を追走。今回で4戦続けての騎乗となった斎藤新騎手。向正面で早めに動く馬はいましたが、ジッと馬込みの中で我慢。3コーナー手前からは2番人気トーセンスーリヤの真後ろを確保。これが好判断。バテて下がってくるリスクは小さく、またトーセンスーリヤが先に抜け出すと進路、スペースも生まれます。実際、先に仕掛けたトーセンスーリヤの外へ持ち出し、これと並んで脚を伸ばしました。当面のライバルを競り負かすと、そこからは独走。②~⑧着馬が0秒1差にひしめく中で2馬身半差をつけたのも立派です。
「ずっとレースで乗せていただいていますし、調教にも乗って具合がいいのは分かっていました。先生やスタッフさんから勝つ気で乗ってこい、と言っていただき、自分の思った通りの競馬ができました。うまく仕上げていただいて感謝しています。本当にスタートが良くて、折り合いなどに癖がありませんし、しっかり脚を使ってくれました。賢くて素直な馬です」とレース後に斎藤新騎手はコメント。コーナー2回の舞台設定が向いており、コースを1周する2000mは合わないのではと評価を落としていた私を嘲笑うかのような完勝劇。明けて7歳でも今は心身とも充実。別定、定量の重賞でも、大崩れしないのではないでしょうか。
決め手を強化したスカーフェイス
大接戦となった②着争いを制したのはスカーフェイス(7番人気)。大外枠でしたが、石橋脩騎手は無理に内へ入れることはせず、外を回ることを選択。走りのリズムは良かったですし、結果的に勝負どころからブレーキを踏むことなく、長く脚を使うことができました。チャレンジCで先着を許したヒートオンビートより今回は2キロ軽い54キロのハンデ。逆転したのは納得がいきますし、末脚に磨きがかかっており、展開ひとつで重賞獲りのチャンスがありそうです。1番人気ヒートオンビートは勝ち馬の直後を進む形。直線に向いてからは狭いスペースを割るように脚を伸ばしましたが、レッドガランほどの鋭さはなく、内にモタれ加減だったこともあってジリジリとした脚いろ。それでも、重賞で2戦続けて馬券圏内を確保しました。
④着はタガノディアマンテ。11ヵ月半ぶりの実戦だったのに加え、2000mも決してベスト距離ではないはずですが、馬場の内目から上々の伸び。動き、気配ともまだ良化途上に映っただけに、叩いての上積みが見込める次走が楽しみになりました。トーセンスーリヤは2番人気らしく、3番手から早めに勝ちに動きました。その分だけレッドガランの目標にされてしまった面は否めませんし、最後は脚いろが鈍って⑤着。ただ、②着からはクビ+ハナ+ハナ差。57.5キロのトップハンデを背負いながら、地力は示した形。決して悲観するようなレース内容ではありません。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】 〇前走クラス・・・勝ち馬は前走がリステッド③着、②着馬はGⅢで0秒8差、③着馬はGⅢで0秒6差。来年以降はOP特別・L競走組は前走の距離を問わず、⑤着以内。GⅢ組は勝ち馬から0秒8差以内なら狙えるという風に条件を大幅に緩和したい。 〇牝馬・・・今年は2頭出走して⑦⑯着。牝馬劣勢の傾向は今後も継続しそうだ。 〇チャレンジC組・・・前走、チャレンジCで③着以内に入った牡・セン馬はヒートオンビートを加え、これで②⑫①③着。残念ながらヒートオンビートは連対できなかったが、馬券には絡んだ。難解なハンデ重賞だけに、該当馬は3連馬券の軸に据えるのにはぴったりではないだろうか。
《中山金杯 2017-21》 |