5月22日(日曜)に東京競馬場で行われた第83回GⅠオークス(芝2400m・3歳・牝馬・晴れ・良馬場)はスターズオンアース(単勝3番人気)が中団から鋭く差し切って優勝。桜花賞に続く牝馬二冠を達成した。騎乗したC.ルメール騎手は2017年ソウルスターリング、2018年アーモンドアイでも勝っており、これがオークス3勝目。管理する美浦・高柳瑞樹調教師は当レース初勝利となった。スターズオンアースは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ニシノラブウインクが注文をつけて先手を主張。ハナを取り切りました。テンの入りは速かったものの、2コーナー付近からラップを緩めて前半1000m通過は60秒6とあまり速くはないペース。馬群が縦長になり、後続を翻弄するいい逃げが打てたのではないでしょうか。

 

 

【レース分析】 スターズオンアース(3番人気)は堂々として落ち着きがあり、また申し分のない馬体の張り。しなやかに四肢を伸ばして踏み込みも深かったですね。大外枠からスタートを決めると自然体で中団の外めを追走します。馬群が縦長になったことで、馬場のいい外を走れたし、プレサージュリフトの直後で折り合いもスムーズでした。直線は外に張り出したアートハウスの更に外を通り、弾けるように伸びてきました。レースの上がりを1秒1上回る素晴らしい末脚を駆使しての差し切り勝ち。終わってみれば能力が一枚上でした。このパフォーマンスを見ると2400mがベスト。桜花賞を含め、総合力の高さでマイルをこなしていたと考えていいでしょう。

 

 

「18番枠を見て少し怒りました。2400mは初めてですし、外枠からでは大変なので、最初は優しく乗りたかったんです。うまくゆっくりと内に入れることができて、プレサージュリフトの後ろを取れたのは良かったです。折り合いも向正面でのリズムも息の入りも良く、リラックスしていてフットワークも良かったです。直線で前に人気馬がいましたし、それをマークしながら運んで長く脚を使って頑張ってくれました。ポテンシャルが高く、忙しいマイルで勝って、2400mで楽勝というのはアーモンドアイと同じです。秋の2000mもぴったりだと思いますよとレース後にC.ルメール騎手はコメント。放馬、競走除外のアクシデントがあり、レースが遅れたことでテンションが上がり、気持ちが切れてしまう馬も多かった中、冷静に走り切ったメンタルの強さもまた勝因として挙げられるでしょう。

 

スターズオンアースの4代血統表 父ドゥラメンテは2世代目にあたる産駒から二冠牝馬が誕生した。

 

 スタニングローズ(10番人気)は馬体に無駄肉がなく、柔らかい身のこなし。大一番に合わせて、いい仕上がりでした。好位のインでロスなく運び、内枠を最大限に生かしたレースができました。勝ち馬が強かったですが、しっかり脚を伸ばして②着。2歳時からハイレベルな重賞で健闘しており、その力をGⅠの大舞台で存分に発揮しました。ナミュール(4番人気)は馬体が華奢に映り、もっとふっくらしてほしい印象を持ちましたが、落ち着きがあって脚捌きは軽快そのもの。中団の内目で折り合いに専念。勝ち馬とはほぼ同じポジションにいたので、瞬発力の差が出てしまいましたが、距離をこなして③着まで追い上げました。桜花賞1番人気の馬が改めて能力の高さを示した格好です。

 

 

 ピンハイ(13番人気)はロスを抑えて運べたとはいえ、小さな体を一杯に使って浮上。チューリップ賞、桜花賞での走りがフロックでないことを証明しました。折り合いにも進境を示し、秋に向けて収穫の多いレースとなりました。1番人気サークルオブライフは、馬体にボリュームがあって、パドックではテンションも我慢していましたが、放馬の影響でゲート入りを待たされているうちに段々と気持ちが昂ってしまいました。スタートで寄られた影響もあって後方に控える形。展開も向きませんでしたが、最後方から追い上げてくるシーンもありませんでした。全馬同じ条件ではありますが、あの時間で燃え尽きてしまい、力を出し切れなかった印象です。

 

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

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