5月29日(日曜)に東京競馬場で行われた第136回GⅡ目黒記念(芝2500m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はボッケリーニ(単勝2番人気)が好位から抜け出して優勝。騎乗した浜中俊騎手、管理する栗東・池江泰寿調教師は当レース初勝利。ボッケリーニは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス㈱。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 外枠から注文をつけてウインキートスが注文をつけてハナに立つと、他馬は折り合いを優先してペースダウン。前のレースの日本ダービーが1000m通過58秒9で流れたのに対して、こちらは62秒5ですから、距離の違いや序盤に坂の登りがあることをしても古馬GⅡとしては緩い流れ。ラストの1ハロンは12秒2を要しましたが、馬群の外を回ってきた差し馬には厳しい形になり、先行型、内を立ち回れる機動力のある馬に有利な展開となりました。
【レース分析】 勝ったボッケリーニ(単勝2番人気)は内枠を生かしてスッと好位のインに収まり、理想的なポジションをキープ。道中から勝負どころでも動く馬がおらず、前がゴチャつかなかったことも幸いして直線を向くと先行した2頭の間に進路を取り、しっかり伸びて残り1ハロンを過ぎたところで逃げた③着馬を捉えると、そのまま後続の追撃も振り切りました。
「道中は思っていた通りの展開になりました。枠順も良かったですし、スムーズに流れに乗れました。直線もいい反応を見せてくれて、最後まで頑張ってくれましたね。稽古から状態の良さを感じていて、不安といえば斤量だったのですが、終わってみれば完勝でした。血統的にこれから良くなっていくと思いますし、弾みをつけて、大きなところを狙いたいです」とレース後に浜中騎手はコメント。確かに枠順などに恵まれた面はありますが、このレースでは厳しいデータ傾向のあったトップハンデを克服しての勝利ですから、兄のラブリーデイと同様、晩成タイプで6歳でも力をつけていることは明白。距離に関しても融通が利くようになっていますから、今後も幅広い舞台で活躍が期待できそうです。
②着のマイネルウィルトス(6番人気)は10キロ減の体重が札幌④着、アルゼンチン共和国杯②着時と同じ数字で、返し馬を見た際も仕上がりの良さが目立ち、当日版のシルシを◎にしなかったことを後悔したくらい。レースでは中団から早めにジワッと追い上げ、勝負どころでは勝ち馬と横並びの外に位置。直線では追い出しての反応の差で遅れをとりましたが、最後まで渋太く伸びて接戦の②着争いを制し、GⅡでは上位の地力を改めて示しました。当レースの連覇を目指した③着ウインキートス(4番人気)も積極的な戦法で巻き返しました。ラスト2ハロンを10秒6→11秒1でまとめた昨年に比べると少し粘りが物足りなく映りますが、斤量も当時より2キロ増えていましたから、能力面が少し衰えたと判断するのは早計でしょう。個人的には状態面も、まだ良化の余地があると見ています。
④着ディアマンミノル(10番人気)は展開、上位馬と内、外のコース取りの差を考えれば負けて強しの内容。同様にスローペースだった前走の大阪ーハンブルクCを差し切った時にも感じましたが、以前よりも末脚の鋭さを増してきている印象ですから、重賞初制覇は目前と考えていいでしょう。当日版で◎にしたモズナガレボシ(14番人気)は⑯着。スローペースなら復帰緒戦の新潟大賞典と同じように、早めスパートから抜け出すパターンで一発を期待しましたが、残念な結果に。それでも、勝ち馬との着差は0秒8ですから、致命的な力差があったとは考えていません。他で触れておきたいのは3番人気で⑩着だったバジオウで、戦前からイメージしていた通り、2500mは長かった様子。1800~2000mなら引き続き重賞でも巻き返しがあるはずです。
text by 五十嵐 友二
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