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第56回 スプリンターズS 回顧

 10月2日(日曜)に中山競馬場で行われた第56回GⅠスプリンターズS(芝1200m・3歳以上・定量・晴れ・良馬場)はジャンダルムが好位から抜け出して優勝。騎乗した荻野極騎手はこれが嬉しいGⅠ初勝利。管理する栗東・池江泰寿調教師もスプリンターズSは初勝利。ジャンダルムは米国ノースヒルズマネジメントの生産馬。馬主は前田幸治さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 先手候補と目されたテイエムスパーダでしたが、ゲートの出がひと息。代わってファストフォースがハナを奪います。しかし、最内枠からテイエムスパーダが盛り返し、2頭で競り合いながら前半3ハロンを32秒7で通過。流れ自体は速かったのですが、3番手以降が深追いしなかったことで、ジャンダルムにとっては絶好の展開になりました。

 

 

【レース分析】 ジャンダルム(8番人気)は夏場に1度使ったことで、うるさいくらいに気持ちがピリッとしていましたね。馬体の張りも文句なし。スタートを決めてインの3番手。4コーナー手前から抜群の手応えで前に接近していきます。テイエムスパーダファストフォースの間を割って早め先頭の形。最後はウインマーベルが追い上げてきますが、振り切って待望のビッグタイトルを獲得しました。もしも、4コーナーで安全策を取ってファストフォースの外を選択していたなら②着馬に逆転を許していたかも。荻野極騎手のエスコートは完璧でした。

 

▲パドックを歩くジャンダルム(撮影:yu~kun)

 

 「課題となっていたスタートはスムーズでしたし、道中をいい感じで運ぶことができました。手応え通りに抜け出してくれましたし、後続の追撃を凌いでくれました。GⅠを初めて勝つことができたのですが、オーナーをはじめとする関係者の方々や、応援して下さったファンの皆様に感謝したいです。また、私自身の腕に磨きをかけていきたいです」荻野極騎手はコメント。昨年は当舞台で春雷Sを制したコンビ。1月に荻野極騎手に手が戻るとオーシャンSを勝って2歳時以来の重賞勝ちを収めました。そして得意とする中山コースで念願のGⅠタイトルを獲得。人馬一体で栄冠を掴んだ印象が強く、更なる活躍を期待したいですね。

 

 

ジャンダルムの4代血統表

 

 ウインマーベル(7番人気)はブリンカーを外した追い切りでは、あまり動かないタイプ。パドックでうるさかったようにレースの雰囲気やブリンカー着用でスイッチが入るのでしょう。前走を使ったことで馬体の張りや毛ヅヤは良くなって上積みは十分でした。最後はジャンダルムにクビ差まで迫ってゴール。直線で少し追い出しを待たされたのと、勝ち馬とは位置取りの差も出ましたね。それでも、中身は濃く、4歳を迎える来年が楽しみになる走りでした。ナランフレグ(5番人気)はキビキビと活気溢れる周回。好調時と遜色のない雰囲気でした。スタート後に接触しましたが、いつも通り後方待機策。直線は懸命に脚を伸ばして③着まで押し上げてGⅠ馬の底力を示しました。

 

 

 ④着はダイアトニック。最後は内にモタれるような面を見せながらも脚を使って健闘。まだまだ地力は健在です。ナムラクレア(2番人気)は前を走るメイケイエールを追って直線に向きたかったのですが、ライバルの手応えがひと息。これをパスしようと4コーナーで外へ。しかし、内から張られるような格好となって予想以上に外を回る羽目に。渋太く伸びて抵抗しましたが、今日に関してはアンラッキーだったと言わざるを得ません。◎メイケイエール(1番人気)はパドックでテンションは上がっておらず、馬体も引き締まっており、心身ともに充実している印象。ただ、レースではさっぱり力を出せませんでした。結果論になりますが、レコード勝ちしたセントウルSから中2週という間隔の詰まったローテーションが良くなかったのでしょうか。

 

 

   text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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