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第70回 アイルランドT府中牝馬S 回顧

 10月15日(土曜)に東京競馬場で行われた第70回GⅡアイルランドトロフィー府中牝馬S(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定・晴れ・良馬場)はイズジョーノキセキが大接戦を制して優勝。騎乗した岩田康誠騎手は府中牝馬S3勝目。管理する栗東・石坂公一調教師は当レース初勝利。この結果、イズジョーノキセキがエリザベス女王杯の優先出走権を獲得した。イズジョーノキセキは北海道新ひだか町沖田哲夫さんの生産馬。馬主は泉一郎さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 逃げたのは好スタートを切ったライティア。しかし、出負けしローザノワールが一気に押し上げて先手を奪い、前半1000m通過は57秒9というハイペース。逃げ馬から少し離れた2番手を進んだライティアがベストポジション。結果的にペースの割に末脚温存型に展開は向かず、外を回った差し・追い込みタイプは伸びあぐねてしまいました。

 

 

【レース分析】 イズジョーノキセキ(12番人気)は体がきっちりできており、テンションも上がらず、上々の仕上がり。脚をためて後方の内めを追走。岩田康誠騎手がコメントしていたように、ソダシの後ろに陣取れば、スムーズに進路も開きますよね。ジョッキーの思惑通りの形となりました。もともとエリザベス女王杯⑤着の実力馬。鞍上のエスコートも見事でした。

 

▲パドックを歩くイズジョーノキセキ(撮影:yu~kun)

 

 「さすがに直線の長い東京競馬場ですね。ソダシの後ろから運べば、必ず進路ができると思っていました。この馬の末脚を生かすことができました。最高のレースでしたし、馬主さんに初重賞勝ちをプレゼントできて良かったです。やっとここまでの舞台に辿り着けました」岩田康誠騎手はコメント。末脚を生かし、堅実な反面、3勝クラスを勝ち上がるのに9戦を要したイズジョーノキセキ。それが、3勝クラスに続き、GⅡを連勝と完全にひと皮剥けました。昨年のエリザベス女王杯は⑤着と健闘。勢いに乗って臨む今年はファンの支持を集める存在となりそうです。

 

イズジョーノキセキの4代血統表

 

 ソダシ(1番人気)はテンションも上がらず、ハツラツとした動き。状態は良さそうでした。スタートを決め、ハナに行けるほどの出脚でしたが、スッと引いて好位を追走。直線は開いたインを突き、③着馬と併せるように伸びて勝ちパターンのレース運び。一旦は抜け出しましたが、今回は勝ち馬の瞬発力に屈する形。他馬より2キロ重い56キロを考慮すれば中身の濃い②着。ただ、ヴィクトリアマイルのように突き放せず、最後の最後で交わされたように、今はマイルがベストなのでしょう。アンドヴァラナウト(3番人気)は14キロ増と馬体が良化。最内枠を最大限に活かしたレースができました。ソダシと馬体を並べてグッと伸びたように見せ場十分。あと一歩でしたね。

 

 

 上位3頭は内目をロスなく運べたのに対し、サトノセシル(2番人気)は外を回るロスが。それでも、ラスト1ハロンからはしっかりと差を詰めてきました。スパッとは切れない反面、確実に脚を使えるタイプ。今後も舞台を選ばず、中距離戦では大崩れはないのではないでしょうか。次走で変身を期待したいのは⑧着のクリノプレミアム(10番人気)。3~4コーナーでシャープに反応できなかったのは12キロの馬体増が影響したよう。パドックでは細く映るぐらいでちょうどいいみたいですね。次走で絞れてくれば着順UPを期待していいでしょう。

 

 

   text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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