2022年10月23日(日) 4回阪神7日
今年は58.7、62.7、61.0で3.02.4のコースレコード決着。レースはブリンカーを装着したセイウンハーデスが飛び出して、テン2ハロン目が10.9。「ブリンカーを着けて積極策を取りました。いつもはズブいのに、今日はハミが抜けず真面目に走り過ぎました」と幸騎手。1000m通過58.7は、トーホウジャッカルが3.01.0で優勝した2014年(京都開催)よりも速く、今年の大阪杯の58.8をも上回るラップ。中盤の1コーナーで13秒3とペースが落ちるのは同じ舞台の阪神大賞典も含めて定番。それでも昨年の14秒3と比べると1秒速いです。全体にシビアな流れ、スタミナ勝負になりました。
優勝したアスクビクターモアは少し離れた2番手でレースを進める形。同タイプの1番人気ガイアフォースは出がひと息だったこともありますが、外のビーアストニッシドが速く、内に押し込められる形。勝負どころでは逃げたセイウンハーデスが下がってきて動き出しが遅れたのも痛かったです。ただ、最後の止まり方を見ると距離も長かったでしょう。対して、アスクビクターモアは人馬とも力を出し切っての勝利。田辺騎手が「瞬発力勝負より、持久力勝負の方がいいタイプ。目標にされる立場でしたが、馬の力を信じて、自分から動いていく競馬をしました」とコメントしたように強気に動いていって、残り600m過ぎには早くも先頭に躍り出ます。最後はハナ差まで詰め寄られましたが、何とかしのぎ切りました。管理する田村康仁調教師、騎乗した田辺裕信騎手ともに嬉しいクラシック初制覇です。
2着には私の本命馬ボルドグフーシュが入りました。道中は中団後方のイン。2周目向正面では4番人気ジャスティンパレスの後ろを確保できました。残り600mで外に出して一気に動いていく形。4角では先に抜け出した勝ち馬とはまだ距離がありましたが、自身は2番手集団の外までポジションアップ。直線は内を捌いたジャスティンパレスと一緒に伸びきて、勝ち馬をハナ差まで追い詰めたところでゴール。「4角で勝ち馬にセーフティリードを取られてしまいました」とは吉田隼人騎手。
ジャスティンパレスは17番枠でもうまくポジションと取れたことが大きかったです。次に4角で前をいくディナースタがバテて外に流れてできた隙間をついて、距離ロスがほとんどありませんでした。ただ、3~4角では内で動くに動けず、その後の着差を考えるとあそこがスムーズだったらもっと際どかったかも。とはいえ、ほぼ完ぺきな立ち回り。以上を考えると、勝負どころで外を回らされた②着馬、待たされた③着馬、それによって貯金を稼げた勝ち馬といった図式。勿論、勝ち馬の勇気と力があってこその優勝です。
ドゥラドーレスは②着馬と同じような位置取りから勝負どころでスムーズに上がっていけたかに見えましたが、内のフェーングロッテンの動きが誤算。フェーングロッテンが②着馬に内から押し出されたことにより、その外にいた同馬は更に外を回らされる形に。結果的に②着馬に内をすくわれました。ただ、最後は前と5馬身の差をつけられたようにスムーズでも厳しかったでしょう。「適性距離はもう少し短いところだと思います」と横山武史騎手のコメントからも十分に頑張っていると思います。
データ終わってみると…春の二冠に出走し、皐月賞よりもダービーで着順を上げた馬は、出走メンバーでダービー最先着であれば狙える。それ以外は切り捨て。今年も勝ち馬アスクビクターモアがこれに該当。来年も覚えておきたい。
text by 小林
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