2022年11月5日(土) 5回阪神1日

 1週前の日曜日あたりから少し時計がかかりだし、直線は内を避けて外めを通る馬が増えました。それでも、この日の12R1勝級・芝1800mが1分45秒6と速い決着。時計的には標準の馬場といったところでしょうか。レースは34秒5─11秒8─35秒0のミドルペース。メイケイエールが勝った一昨年はラップ的にも優秀で、同馬のその後の活躍はこの時点である程度保障されていたと言っていいでしょう。昨年も残り2ハロンまでは11秒台前半のラップが続き、1週前のスワンSと0秒4差(今年は1秒5差)の決着で悪くありませんでした。今年は前2年と比べるとテンの入りは悪くありませんが、中盤の3ハロンがいずれも11秒台後半の中緩み。その分、前が残る形になりましたし、ラップ的には前2年よりも若干劣るのではないかというのが個人的な見解です。

 勝ったのは10番人気のリバーラ。レースは最内のサツマノオンナが出ムチを入れて押して押して前へ。ただ、こちらの方が速かったです。ハナを取り切ると絡まれることもなくマイペースに持ち込んで、内をピッタリ回って押し切り。危なげなかったです。関西への初輸送でしたが、馬体が増えていたのは好材料。まったく太くありませんでしたし、プラス14㎏は成長分だったでしょう。「スタートは前回も出ていましたが、今日は更に良かったです。馬場も締まってきていたので、こういう作戦もありかな?と思っていました」と石橋脩騎手。石橋脩騎手は今年の重賞初勝利。2016年から毎年重賞を勝っていますが、これで自身の記録が継続することになりました。

 ブトンドールはスタートがひと息でしたが、行く気もなく後方から。「次を見据えてムキにならないように、折り合いを確認しながら道中は進ませました」と鮫島克駿騎手。4角で大外に出して直線へ。上がりはレース最速の34秒2。ゴール前で内に斜行して制裁対象にはなりましたが、ペースを考えると悪くない内容。1ハロン延長はまったく問題ありませんでした。③着は同じ5枠のレッドヒルシューズ。初戦はマイルのスロー。1400mのペースに対応できるかでしたが、うまく流れに乗ることができました。枠がもう少し内なら人気の一角バレリーナの後ろに収まりそうでしが、相手の手応えが悪かっただけに、結果的に内から3頭目を回らされたのは良かったです。スムーズに捌くことができました。ただ、鞍上は「精神的な強さがありますが、現状は距離はもっとあった方がいいと思います」とコメント。前述のバレリーナは「テンションが上がり過ぎて、レース前には疲れ果てていましたね」と川田騎手。それでいて初めての1400mは厳しかったようです。ただ、今回の一戦だけで距離適性云々は判断できません。

 1番人気のアロマデローサは中団から。直線は外に出しますが、残り1ハロン過ぎに挟まれる不利。ただ、既に手応えも悪く、仮に不利がなくても上位は厳しかったでしょう。パドックのテンションは高め。ゆったりと歩けていた前走時と比べると少し気になりました。今日のところは力を出し切ったとは言えないので、巻き返しに期待しましょう。

text by 小林  

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