8月7日(日曜)に札幌競馬場で行われた第27回GⅢエルムS(ダ1700m・3歳以上・別定・晴れ・良馬場)はフルデプスリーダー(単勝9番人気)が好位から力強く伸びて優勝。騎乗した丹内祐次騎手、管理する美浦・斎藤誠調教師ともエルムSは初勝利。フルデプスリーダーは北海道新冠町村田牧場の生産馬。馬主は小田吉男さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 最内枠に入ったロードエクレールは決してダッシュが速いタイプではなく、アメリカンシードも出遅れたので好スタートを切ったアイオライトが労せずにハナを奪いました。5ハロン通過61秒6は古馬GⅢとしては速いペースではありませんでしたが、道中で流れが緩んだのも12秒7の地点だけ。平均的にラップを刻み、流れに乗って運べるタイプが力を発揮するパターンとなりました

 

 

【レース分析】 勝ったフルデプスリーダー(単勝9番人気)はスタートが今ひとつでもリカバリーが利く程度で、鞍上が気合をつけて1コーナーでは好位置をキープ。その後は馬群の中で折り合いをつけて、勝負どころから②着馬をマークするように進出を開始して、直線でも手応え以上にしっかりと脚を伸ばし、ゴール前で前を捉えました。

 

 

「気配が良く、調教でも感触を掴んでいたので自信がありました。ゲートで立ち上がったりして、少しヒヤヒヤしましたが、うまくリカバーできて、いい位置を取れたことが勝因です。道中の手応えが良く、うまく進路も開いていたので、あとは馬の勝負根性を信じました。勝てて良かったです丹内騎手はレース後にコメント。前走のマリーンSを制していながら斤量増が影響してか、下馬評は高くありませんでしたが、昨年もこの舞台で2勝クラスを勝っていてコース適性は十分。テン乗りで馬の持ち味である機動力を引き出した鞍上の手綱捌きも見事でしたし、課題として残るスタートが改善されれば、更なる上がり目も見込めそうです。

 

フルデプスリーダーの4代血統表

 

 ②着ウェルドーン(6番人気)は逃げた馬をマークする形で理想的なレース運び。4コーナーでも手応えは勝ち馬よりも良かったくらいで、結果的に仕掛けのタイミングひとつと思える、①着と同等に評価していい内容でした。昨年の関東オークスを制し、牡馬相手のジャパンダートダービーでも小差③着だった素質馬ですから、復調してきたとなれば今後も交流重賞を含め、幅広い舞台で活躍が期待できそうです。③着オメガレインボー(2番人気)はスタートが決まり、戦前に想定されていたよりも前の位置取り。展開的にも鞍上の判断は正解だったと思いますし、馬も最後まで伸びていました。あと一歩の決め手強化が重賞初制覇への課題かもしれませんが、展開ひとつという気もしています。

 

 

 ④着ブラッティーキッド(1番人気)は転入緒戦の勝ち時計、パフォーマンスが圧巻だった割に、前走内容が案外だったので、重賞ではどうかと考え、当日版の個人予想を敢えて無印にしていました。勝負どころで置かれた際には正直、やっぱりと思ったのですが、直線で盛り返してきた内容には潜在能力の高さが感じられました。クラス慣れも見込める次走は評価を改めるつもりです。⑤着ロードレガリス(5番人気)は長欠明けだった前走のプロキオンSに続いて、今回も上がり最速で目を引く伸び。本質的に小回りの1700mよりも広いコース向きと考えている馬なので、次走が適した舞台に替わるようなら、躍進が期待できそうです。当日版で自分が◎にしていたアイオライト(3番人気)は⑧着。もともと逃げる戦法も想定内でしたし、ペースを考えると粘りは案外でしたが、地力のある②着馬にぴったりとマークされる形だったことも確か。今回だけで評価を下げるのもどうか、と思案しているところです。

 

 

 

 

        text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

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