2022年10月16日(日) 4回阪神5日

平均は京都開催

 昨年に続いて阪神での開催。昨年は同じ良馬場でも湿った馬場でクッション値は8.1。今年は9.5で、10R西宮Sなど芝1800m1分44秒3。平均より時計ひとつほど速い馬場でした。レースは前半59秒7、後半58.9。前半はゆったりしたペースでしたが、残り4ハロンから11秒台のラップが続き、ラストも11秒8と落ち込むことはありませんでした。全体に内有利の馬場でもあっただけにポジショニングは重要。スタートで出遅れた春の二冠馬スターズオンアースは序盤から劣勢に立たされました。ルメール騎手も馬場状態は分かっていたのでしょう。最初から外を回す選択肢はなかったようです。直線の捌きには見応えがありました。まず前を行くタガノフィナーレが外へ動くのを見てその内へ。そのタガノが再び内に戻ってきた時に跳ね返すあたりがこの馬の強さ。桜花賞のワンシーンを思い出しました。その後は前を行く勝ち馬の進路をトレースしようとしてアートハウスに一瞬行く手を阻まれますが、僅かな隙間を突いて勝ち馬に迫ります。しかし、半馬身、ハナ差の3着まで肉薄したところでゴール。レース上がりを1秒3上回る決め手は圧巻でした。三冠達成はなりませんでしたが、心身の強さ、鞍上の冷静な手綱捌きが光る好内容。 

 そして最後の一冠・秋華賞を制したのはスタニングローズ。紫苑Sからコンビを組んでいる坂井瑠星騎手はJRA・G1初制覇を達成。管理する高野友和調教師は2014年ショウナンパドラ以来となる秋華賞2勝目を飾りました。スタートで外にヨレましたが、出足自体は悪くなく、難なく先行勢の中心4番人気アートハウスを見る絶好位につくことができました。向正面に入ってからは外側にいたアートハウス・川田騎手をマークする形。そのアートハウスはギリギリまで追い出しを我慢しますが、直線は思ったほど伸びません。道中はずっと前に馬を置けず、力んでいた分もあったかもしれませんが、ローズSのような走りを見ることはできませんでした。ただ、まだキャリア6戦。これからの活躍に期待しましょう。話をスタニングローズに戻します。勝負どころでは外から何も来ず、直線で前を行くアートハウスの外に出すと最後の坂で力強く抜け出してゴール。「前回に乗って操縦性を確認できていましたし、この馬のリズムで後ろになり過ぎないように気をつけました」と鞍上のコメント。この馬の操縦性の良さを生かした完璧な立ち回りでした。

 2着にはナミュールが入り、オークスの上位3頭の着順が入れ替わっただけの結果。新勢力の台頭はなく、今年のオークスハイレベルが実証される形となりました。ナミュールはオークスからの直行で馬体重はプラス20㎏。もともと小さい馬ですが、まったく太くは映りませんでしたし、すべて成長分といっていいでしょう。レースは中団から。外めに馬を置いて、いつでも動いていける態勢と整えていました。じっくりと脚をためて、ロスを最小限に留めたコーナーワークでしたが、勢いをつけた4角だけ外へ膨れる形に。そこからよく伸びていますが、差し切るまでには至りませんでした。

データ終わってみると…二冠馬は3着を外さないという観点から◎スターズオンアースを1頭軸にした3連複6点買いだったが、一応1,090円の払戻でプラス的中。安かったですけどね。④⑤着も拾えていただけに、ほぼ完璧だったと自画自賛。これで2年連続で的中。来年は京都に戻るが、今年のデータを大きくはいじらず活用していきたいところ。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。