6月19日(日曜)に東京競馬場で行われた第27回GⅢユニコーンS(ダ1600m・3歳・別定・晴れ・良馬場)はペイシャエス(単勝7番人気)が好位から抜け出して優勝。騎乗した菅原明良騎手は、管理する美浦・小西一男調教師ともにユニコーンSは初勝利となった。ペイシャエスは北海道様似町高村伸一さんの生産馬。馬主は北所直人さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを切ったスマートラプターの機先を制し、ロードジャスティスがハナに立って前半3ハロン通過が34秒3というハイペース。その後も12秒前後の緩みないラップが7ハロン通過まで続き、最後の1ハロンだけ12秒6を要し、スピードよりも持久力、ラストの決め手が要求されるような展開となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったペイシャエス(単勝7番人気)は好位をキープして必要以上に前を追いかけず、折り合って脚をためるような形。直線を向いた時は前にいた⑤着馬よりも手応えは劣勢でしたが、最後まで渋太く脚を伸ばして、①~⑦着馬までが0秒2差以内に入るような大接戦を制しました。

 

▲パドックを歩くペイシャエス(撮影:yu~kun)

 

「スタミナが豊富で心臓の強い馬です。これまでは番手からスムーズな競馬で勝ってきましたが、今日はマイル戦でしたし、ためる競馬は狙い通りでした。手応えは良かったので、あとは進路を見つけるだけでしたし、馬が強いので自分としては自信を持って乗れました。GⅠなど大きいところを狙っていけるように、馬と一緒に成長していければと思いますとレース後に菅原明良騎手はコメント。同じ舞台の前走、青竜Sが2番手から抜け出す正攻法の競馬で、詰めを欠いて⑤着だったことを教訓にした好騎乗が光りましたし、中山1800mの1勝クラスを好タイムで勝っていたので、スタミナ面の裏づけも十分。今回は消耗戦となったことも味方しましたが、今後、距離が延びても不安がない点は大きな魅力です。

 

ペイシャエスの4代血統表

 

 ②着セキフウ(9番人気)は内枠でスタートが今ひとつだったので、鞍上が腹を括って後方で末脚を温存する戦法。サウジダービーで②着の時も似たようなレースだったので能力発揮に支障はなく、直線も馬群の内を捌きながら鋭く脚を伸ばしてきました。ただ、スタートさえ決まれば流れに乗った競馬もできるタイプですし、少なくともマイル以下なら常に上位を争えるでしょう。③着バトルクライ(8番人気)もスタートで躓きましたが、②着馬と同様、末脚を生かす形を選択して、直線は前のスペースを探しながら伸びて、ゴール前は上位馬を凌ぐような脚勢。2勝は1200mで挙げていますが、2戦続けて1600mで健闘したことで、今後に向けても明るい展望が開けたといえます。

 

 

④着ヴァルツァーシャル(6番人気)は数字的には上がり最速ですが、突き抜けそうな勢いで伸びてきながら、ゴール前は前と同じ脚いろになったのは前走の青竜S④着時と同じ。現状でも自己条件の2勝クラスなら好レースは必至でしょうが、更に上を目指すには脚の使いどころがポイントになりそうです。⑤着タイセイディバイン(11番人気)は初ダートでも積極的に立ち回り、ハイペースの中を手応え十分の追走で、一旦は抜け出すシーンもありました。砂を被らずに済む大外枠も好走要因のひとつでしょうが、流れ、展開を考えれば非常に中身のある内容。次走以降が大いに楽しみになりました。

 

 

 1番人気に支持されたリメイクは⑥着。ゲート内で突進し、スタートで躓きましたが、レースぶりに影響したような感じはなく、道中は行きっぷり良く中団を追走。直線も手応え通りに伸びてきましたが、最後で弾けなかったのは、本質的に1600mは少し長いのかも知れません。ただ、今回は直線の長い東京で持久力も必要な流れでしたから、舞台設定や展開ひとつで距離を克服する可能性は十分。当然、馬自身も成長の余地を残しています。2番人気で⑧着のハセドンは弾け過ぎた前走の反動が考えられますが、もう少し緩い流れの方が切れる脚を使える印象も。⑩着ジュタロウもタフな流れで気性の若さ、馬込みに入れない弱みが出た可能性がありますから、今後の成長を待ちたいところです。

 

 

 

 

 

 

 

          text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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