2022年11月13日(日) 5回阪神4日

 この日は芝ダートともスタートは良馬場でしたが、1Rが始まるぐらいから雨が降り出して、メインのエリザベス女王杯は重馬場で行われました。レースは絶好枠を引いたローザノワールがハナを切り、積極策を示唆していたアイルランドのマジカルラグーンが2番手。外枠のウインマイティー、5枠の2頭が続いて好位を形成。結論から言うと、先行した前記5頭はローザノワールの⑬着を最高に、すべて二桁着順に沈みました。前半47秒9、中盤36秒9、後半48秒2のミドルペース。タフな競馬でしたが、ラストが12秒3―12秒2の加速ラップ。地力の高さ、持久力が問われる一戦になりました。展開的には外差し有利。

 勝ったのは前哨戦のオールカマーを制して重賞初制覇と勢いに乗っているジェラルディーナでした。大外枠スタートで距離ロスはありましたが、終始馬場のいい外めを走ることができました。道中の手応えは抜群で、直線入り口では早くも前を射程圏。粘るウインマリリンを交わして先頭でゴールへ。母ジェンティルドンナに続くGⅠ勝ちで、母仔JRA・GⅠ制覇の偉業を達成。祖母(チヴァリーパークS1着)も含めると3代GⅠ制覇となります。

 ウインマリリンは好位集団の後ろを追走。こちらも馬場のいい外を回る形。直線に向いた時点で前にいたのは逃げたローザノワールだけ。残り1ハロン付近で先頭に立ちましたが、勝ち馬とは勢いが違いました。最後はライラックの追撃をなんとか同着に抑えて②着を確保。柔らかい馬場での持久力勝負はぴったりで、地力と適性の高さを示した格好です。ライラックは後方からじっくりと運んで、向正面では勝ち馬の後ろ。勝負どころは勝ち馬を追いかけていって直線へ。外から脚を伸ばしますが、②着同着までが精一杯。競馬としては秋華賞(⑩着)とあまり変わりませんでしたが、今回の方が枠順、馬場、展開と向いた感じ。いずれにせよ噛み合えばタイトル奪取も可能ということでしょう。前年の覇者アカイイトは、昨年同様タフな競馬になったことで④着に浮上。昨年とは違って後方待機から終いを伸ばす形でしたが、こういったタフな競馬は向いています。

 ナミュールは序盤から隣のスタニングローズの後ろを確保しようといった強い意志が表れていました。ただ、そのポジション争いでゴチャついてしまい、「スタンド前と、1~2角と3角で3回ぶつけられました。それで気持ち的にかなり苦しくなりましたね。それと馬場もあったと思います」と横山武史騎手。そして、そのポジションにはデアリングタクトが座りましたが、2頭の誤算だったのは、マークしたスタニングローズが本来の走りを見せられなかったこと。勝負どころで必死に手が動きますが、進んでいかず、直線も伸びを欠きました。秋華賞とはまったく違う馬場ということもありますが、やはり3歳馬のGⅠ連勝は一筋縄ではいきませんね。

text by 小林  

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