2022年11月20日(日) 5回阪神6日
芝は稍重スタートでしたが、8Rの時点で既に良馬場で行われていました。レースは前半35秒1、46秒6─後半45秒9、34秒0と過去2年同様、後傾ラップに。ラスト2ハロン目が10秒8と瞬発力が求められましたが、前半も極端に緩む箇所がなく、レースレベルとしては高かったと思います。ただ、残り800mからは11秒9─11秒6と例年より遅く、ここで馬群が凝縮して直線へ。セリフォスは中団の後ろで1番人気のシュネルマイスターを見ながら。内でゴチャついた馬が多かったなか、スムーズな競馬ができたこともありますが、直線で大外に出すと、前をまとめて差し切る素晴らしい切れ味。上がりは勿論レース最速。「スタートしてから折り合いがつくまでに少し時間はかかりましたが、レースの後半は大丈夫。直線に入る時の手応えが良かったし、外に出せた時には何とかなるなという自信が持てました」とレーン騎手。レーン騎手は2019年ヴィクトリアマイル以来4度目、管理する中内田充正 調教師は2020年朝日杯フューチュリティS以来5度目のJRA・GⅠ制覇です。
ダノンザキッドは中団で好位のソダシを見ながらレースを運ぶ形。直線に向いてソダシの内に入れてゴチャつく場面もありましたが、怯まずに力強く伸びてきました。道中うまく脚をためて、しっかりと脚を使っていますが、勝ち馬とは勢いが違いました。ソダシは1600mで初めて土がつきましたが、牡馬相手の激しい叩き合いで力は示しています。前半のペースはこの馬としては楽でしたし、勝負どころの手応えも良かったです。ただ、勝ち馬には切れ負けし、②着馬にも競り負けした格好。結果論ですが、もうワンテンポ速く仕掛けても良かったかもしれません。
ソウルラッシュは中団の外めを追走。ペースが落ちた残り800mからじわじわと進出して直線へ。ソダシの外から脚を伸ばして②着と0秒1差まで追い上げましたが、「馬の後ろで我慢をさせたかったのですが、なかなか入れることができませんでした」と松山騎手。着差を考えると②③着とは回ったところの差とも。シュネルマイスターも同じように中団から。直線さあ、これからといったところから意外なほどジリジリ。外から蓋をされて追い辛い部分もありましたが、ルメール騎手は「直線で加速できませんでした。軟らかい馬場で速い反応ができずに、ジリジリでした」と。サリオスのムーア騎手もレース後に柔らかい馬場を敗因に挙げていました。ダノンスコーピオンは行きたがる格好。途中からソダシの後ろに入れて折り合いを図ろうとしますが、うまくいきませんでした。
データ終わってみると…やはりGⅠで万馬券を的中すると嬉しい。データ的には特に問題なかったので来年も同じ基準で。3歳馬の取り捨てコンセプトは、NHKマイルC組よりもクラシック組、特に皐月賞で健闘した馬を重視すること。今年は該当馬がいなかったが、やはり基本性能はクラシック組の方が高い。そして、もうひとつ重要な点がNHKマイルC組でも安田記念でそれなりの競馬をした馬は買い。今年のセリフォス、昨年のシュネルマイスターがこれに該当する。逆にNHKマイルC好走馬でも古馬とのGⅠ未経験は危ない。
text by 小林
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。