1月22日(日曜)に中山競馬場で行われた第64回GⅡアメリカJCC(芝2200m・4歳以上・別定・晴れ・良馬場)は4番人気ノースブリッジが優勝騎乗した岩田康誠騎手、管理する美浦・奥村武調教師ともアメリカJCCは初勝利。ノースブリッジは北海道新冠町村田牧場の生産馬。馬主は井山登さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 シャムロックヒルバビットを制して主導権を握りました。1コーナーまでは互いを意識し、競る形になって序盤からペースが速くなると考えていたのですが・・・バビットが早めに引いたことで1000m通過は61秒5。とはいえ、最終週の馬場。差しの利く外回りでもありましたから、展開による有利不利は小さかったのではないでしょうか。

 

 

【レース分析】 ノースブリッジ(4番人気)はパドックでは最後尾を歩いていました。テンションは上がらず、モーリス産駒らしい重厚感のある迫力満点の周回でしたね。4番ゲートから好位のインに潜り込み、折り合いに専念。これはジョッキーの思い描いたプラン通りだったはず。上手に我慢が利いていました。4コーナーでは逃げるシャムロックヒルがバテて後退。これをパスすべくバビットが動いたことによって前方に進路もできました。スルスルとポジションを上げて力強く抜け出し、エヒトの追い上げもきっちりと封じてゴール。まさに理想的なレース運びでした。

 

 

 「厩舎や先生が在厩調整という稀なことをやっているなかで結果を出せたのは良かったです。2023年、AJCCを勝ったことで、GⅠを取るための一歩を踏み出すことができたと思います。見ての通り、道中はなだめながら運びました。中山の2200mという難関なコースで向正面から動きがあったんですが、馬が冷静でいてくれたことで、ラスト3ハロンから自分の進路を見つけてファイトしてくれました。奥村武厩舎にはお世話になっているし、恩返しをすることが自分の使命だと思っています。GⅠの舞台で勝てるような騎乗やパフォーマンスを見せていきたいです」とレース後に岩田康誠騎手はコメント。初めてコンビを組んだ2歳暮れの葉牡丹賞でノースブリッジの素質、能力を絶賛していた岩田康誠騎手。昨年はGⅢを制し、5歳を迎えた今年はGⅡで優勝。ひとつひとつ階段を駆け上がり、有力候補として次走に予定されている大阪杯に出走します。

 

ノースブリッジの4代血統表

 

 エヒト(5番人気)はパドックではきびきびと活気十分。馬体の張りも良く映りました。脚をためて後方待機策を選択。ユーバーレーベンが先に動いてくれたことも、エヒトとってプラスに作用しましたが。メンバー最速の上がりをマーク。ただ、今回は勝ち馬が最高にうまく立ち回りました。それでも、チャレンジCに続いての好走。重賞2勝目は目前です。ユーバーレーベン(3番人気)はパドックの外めを勢い良く、ハツラツとした周回。馬体はふっくらとしており、動きに柔らかみもありました。後方を進み、向正面から動くのは中山外回りコースを熟知したM.デムーロ騎手の十八番。3〜4コーナーの手応えだと弾けそうでしたが、伸びそうで伸び切れず③着。エヒトが後ろから来ると、もうひと踏ん張りしていましたし、結果論ではありますが、早めに先頭に立っていた方が良かったかもしれません。

 

 

 ガイアフォース(1番人気)は体に太め感はなく、パワフルな歩様。力は出せる仕上がりに映りました。昨秋のセントライト記念を勝ってはいますが、馬体の造りや毛色から母父クロフネの血が色濃く出ているのでは。今後はマイル〜1800mあたりにシフトして良さが出てきても驚けません。エピファニー(2番人気)はスタートで接触した影響もあってか力んだ走りに。勝負どころでは窮屈になるシーンも。初めての重賞レースはほろ苦い、厳しいレースになりましたが、これはいい経験に。次走での巻き返しに期待したいですね。

 

   

text by 京増 真臣

 

 

 

 

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