3月26日(日曜)に中山競馬場で行われた第30回GⅢマーチS(ダ1800m・4歳以上・ハンデ・雨・不良馬場)は5番人気のハヤブサナンデクンが優勝。管理する栗東・吉村圭司調教師、騎乗した津村明秀騎手ともマーチSは初勝利。ハヤブサナンデクンは北海道新ひだか町グランド牧場の生産馬。馬主は武田修さん。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 雨が降り続き、水の浮く不良馬場でのレースとなりました。特殊なコンディションでしたが、前半1000m通過は61秒6の平均ペース。先行勢に有利な展開でした。
【レース分析】 ハヤブサナンデクン(単勝5番人気)は年齢を重ねて、どっしりと落ち着きが出てきましたね、脚捌きは力強く、仕上がりは良く映りました。内2頭の出方を窺いながら、3番手をキープできたことが勝因のひとつ。スムーズに立ち回り、直線では渋太く脚を伸ばして最後は首の上げ下げの接戦を制しました。ラスト1ハロンは13秒2。水が浮く状態でも、パワーも必要な馬場も合っていました。すべてがうまく噛み合い、7歳にして重賞タイトルに手が届きました。
「帰ってくるまで勝ったかどうか分かりませんでした。初騎乗でしたが、センスのいい馬で人気馬を見ながらうまく流れに乗れましたし、フットワークがいいからこういう馬場も気になりませんでした。4コーナーでフワッと気を抜いて置かれた時はヒヤッとしましたが、よく届いてくれました。7歳馬ですが、まだまだフレッシュで元気一杯なので、これからも頑張ってくれると思います」とレース後に津村明秀騎手はコメント。津村騎手はこのレースを含め、中山で土日4勝の固め打ち。馬場を読み切った好騎乗を連発。初コンビでしたが、手綱捌きも光りました。
▲ハヤブサナンデクンの4代血統表
ウィリアムバローズ(1番人気)は休み明けでも、きっちり馬体ができており、歩様には勢いがあって迫力満点。好スタートを決め、ロードヴァレンチにハナを譲って2番手を追走。まさに思い描いた通りの展開。完全に勝ちパターンだと思ったのですが・・・勝ち馬とは0.5キロの斤量差がありましたし、負けて強しと言える②着でした。キタノヴィジョン(11番人気)はコンスタントに使って上積みこそ小さかった印象ですが、活気溢れる周回で体調は良さそうでした。後方のインで脚をためて、4コーナーで外に持ち出せました。レースの上がり3ハロンを1秒2上回る末脚を駆使して③着と好走。先行勢に有利な展開を踏まえれば、中身の濃いレース内容でした。
ロードヴァレンチ(4番人気)はテンションが上がらず、体に無駄肉もなく、好仕上がり。初めての重賞挑戦でもハナを奪って、自分のレースはできました。確かに55キロのハンデは恵まれた面は否めませんが、0秒2差④着と能力の高さは示しましたね。カフジオクタゴン(9番人気)は16キロ増でも、もともとが超大型馬で、それほど太くはなく、気合乗りが早くて歩様も力強さに溢れていました。好位に取り付きましたが、平均ペースで馬群が固まり、外枠だった分、外を回らされてしまいました。跳びが大きいですから、外を回る形が合っているのかもしれませんが、コースロスを考慮すれば強いレースをしていますね。2番人気ハピは⑦着。460キロ台とダート馬にしてはやや小柄。促しながらの追走だった点を見ても重い58.5キロのハンデが影響した面があったのかもしれません。
text by 京増 真臣
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