4月1日(土曜)に中山競馬場で行われた第55回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は3番人気のインダストリアが優勝。管理する美浦・宮田敬介調教師は当レース初勝利。騎乗した戸崎圭太騎手は2015年にモーリスで勝っており、2勝目となった。インダストリアは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ベレヌスがハナを奪い、半マイル通過47秒2というスローペース。その割に馬群が縦長になりましたから普通なら前残りの展開。ただ、そうはいかないのは内側が傷み、外が有利な馬場コンディションだった影響でしょう。
【レース分析】 インダストリア(3番人気)は馬体が絞れて素軽さアップ。馬場の悪い内側を避け、前を射程圏内に入れたポジションが取れました。直線に向くと鮮やかに抜け出して快勝。中山マイルはこれで3戦全勝。右回りの方が伸びが良く、若さが抜けて完成されてきました。
「今日は返し馬から随分と落ち着いていました。リズム良く行けば最後の脚はいいものを持っている感触がありましたからね。早めに外に出して外を回り過ぎたかなとも思いましたが、馬を信じてリズム良く走らせたことで最後は爆発してくれました。自分としては東京でも走れると思っていますが、こういった感じで中山だと強い競馬をしますし、そのあたりが課題かなという気がします。まだ緩さもあるので、これから更に成長してくれればと思います」とレース後に戸崎圭太騎手はコメント。昨年のNHKマイルCで⑤着。④着のセリフォスとは僅かクビ差ですから重賞制覇も納得できる好素材。ひと回り成長して重賞タイトルを獲得。GⅠ戦線でライバルとの激突が楽しみですね。
▲インダストリアの4代血統表
ジャスティンカフェ(2番人気)はそれほどテンションが上がらず、脚取りは軽快。出たなりに中団やや後方を追走。スローペースのなかでも折り合って運べていたし、勝ち馬の直後からうまく捌けたのですが・・・。このあたりはインダストリアより2キロ重いハンデ58キロの分なのでしょうか。ゾンニッヒ(5番人気)は中2週でも活気溢れる周回。好調をキープできていました。外が有利な馬場でしたから、そこまでマイナスにはなりませんでしたが、大外枠だとテンに脚を使わされますからね。そんな状況下でも理想的なレース運びはできたのですが、今日に関しては上位2頭の決め手が上だった印象です。
④着マテンロウオリオン(7番人気)は馬体の張りがグンと良くなりましたね。それにテンションも上がっていませんでした。スタートはゆっくりと出て、道中は馬のリズムを重視。直線は馬場の悪い内側をギリギリ避けて、脚を伸ばしてきており、大事に乗って次につながるレースができました。⑤着ウイングレイテスト(6番人気)は金曜日も汗取りをしていましたが、プラス6キロと絞り切れなかった印象。それでも、毛ヅヤが冴え、状態は良く映りました。スローの3番手から直線は馬場の悪いインを避けられたし、見せ場を作りましたが、瞬発力だと分が悪いですね。レッドモンレーヴ(1番人気)は⑦着。馬体に重厚感があり、脚運びはスムーズ。ただ、返し馬でインダストリアの後ろを慎重についていく感じで、気性の危うさがありました。ゲートで潜りかけ、体勢を立て直すところでスタートを切られて、立ち遅れ。スローペースのなか、よく差を詰めましたが、これが精一杯。今日はアンラッキーでした。
text by 京増 真臣
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