8月27日(日曜)に新潟競馬場で行われた第43回GⅢ新潟2歳S(芝1600m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)は単勝1番人気に支持されたアスコリピチェーノが優勝。管理する美浦・黒岩陽一調教師は新潟2歳Sは初勝利。騎乗した北村宏司騎手は2勝目となった。アスコリピチェーノは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 先手を奪ったのはショウナンマヌエラ。2ハロン目に11秒0という速いラップを刻んだこともあって後続は競りかけることはせず、折り合って我慢することを選択。その後の3~4コーナーの部分でショウナンマヌエラは巧みにペースを落として息を入れることができました。これが逃げ粘れた要因。直線に向いてからは新潟2歳Sらしく速い上がりを要求される瞬発力比べとなりました。
【レース分析】 アスコリピチェーノ(1番人気)は6月に新馬を勝って約2ヵ月ぶりの実戦。プラス8キロの体重は成長分。馬体はバランス良く、きっちりと仕上がり、また歩様も伸びやかさ十分。うるさい面もまったくありませんでした。スタート後は前に壁を作れず、少し行きたがる仕草を見せましたが、途中からは好位で我慢が利いていましたね。直線に向くと馬場の真ん中を通って脚を伸ばし、逃げ馬を競り落としてゴール。
「力がある馬なので、まずはスムーズな走りをさせてあげられて良かったです。力を発揮できてほっとしました。キャリアが浅い馬同士のレースなのでいろいろなことを想定して臨みました。落ち着いた淡々とした流れになり、前の馬も力を残す展開でしたが、直線で追い出すとどんどん大きなストライドを使ってくれて、良さを出してくれた走りだったと思います」とレース後に北村宏司騎手はコメント。ダイワメジャー産駒ですが、中団、好位から速い上がりを駆使して2連勝。スピードを上手に瞬発力に転化できています。先々はマイルが主戦場となるでしょうが、操縦しやすく、1800、2000mまでは難なく対応できそうな印象を持ちました。
ショウナンマヌエラ(10番人気)は中京芝1600m戦でデビュー。稍重と力のいる馬場コンディションの中、逃げ切ったわけですが、マークした上がり3ハロンは35秒1。今回は良馬場での争いでしたが、しっかりと対応し、上がり3ハロンを34秒2でまとめて②着。馬場を問わない点は魅力ですし、まだまだ実が入りそうな体つきと成長余地も十分。次走以降、控える戦法でも好走できるかがポイントになるでしょう。③着はクリーンエア(4番人気)。デビュー戦もそうでしたが、エンジンがかかるのに少し時間がかかるようです。それでも、最後まで脚を使って②着とはコンマ1秒差。同じく直線の長い東京、阪神外回りコースは合うはず。逆に攻略には器用さが必要となる中山などのコースに対応できるかに今後は注目したいところです。
ルクスノア(7番人気)はスタート直後は掛かり気味。なだめてインの3番手に収まりますが、そこまでに消耗、ロスがありました。直線に向くと馬場の真ん中へ進路を取ったものの、もうひと押しが利かず。とはいえ、減量が効いたデビュー戦より3キロ重い55キロを背負って健闘できた点は評価すべきでしょう。シリウスコルト(12番人気)はジワリジワリと伸びて⑤着に浮上。1200mで勝ち上がりましたが、のんびりとした雰囲気なのに加え、追って味もあるので距離延長はプラスと見ていましたが、これだけ走れたのにはびっくり。更に距離が延びてもと思わせる内容でした。
2番人気ルージュスタニングは⑨着。スタートで接触し、デビュー戦とは違う後ろからレースを進める形に。更に直線ではなかなか進路が開かない不運。残り1ハロン付近で視界がクリアになったのも束の間、再び内外から挟まれてブレーキ。まったく力を出していないのは明らかですから、次走は見直しが必要ですね。当日版のコラム「データから推す」でも記しましたが、新潟2歳Sは前走、左回りで連対しているのが肝要。今年も前走が右回りだったヴァンヴィーヴ、ヒヒーンは掲示板に載れずに凡退。これは来年も使えるデータですからしっかり記憶しておきたいところ。早速、スマホのカレンダーを開き、来年、新潟2歳Sが行われるであろう日に『前走右回りV危険』とメモしましたw
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。