2023年9月17日(日) 4回阪神4日

 前半34秒4、45秒7─後半45秒7、34秒0の緩みのないミドルペース。1分43秒0は芝1800mのJRAレコード。馬場状態は良く、野芝のみの馬場は確かに時計が出やすいですが、そにしてもこの時計は破格。レースを引っ張ったユリーシャは最下位に終わりましたが、それでも1分45秒1で走っています。やはり、ペースは速過ぎたようで、結果的に後ろで脚をためていた組の競馬になりました。勝ったのはこれが4戦目の7番人気マスクトディーヴァ。道中は中団の外。人気の一角ラヴェルが見える位置。勝負どころはそのラヴェルを外でブロックしつつ直線へ。スムーズで上手な立ち回りができましたし、最後の決め手も素晴らしかったです。「少し早いかなとも思いましたが、4角で噴かしていくと、思った以上に反応が良く、ラストも遊ぶ面を見せて余裕があったほど」と岩田望来騎手。二冠女王との対決が楽しみになりました。不安があるとすれば、休み明けをこの時計で走り切った反動でしょうか。前述のラヴェルはプラス16㎏。太くはなく、成長した姿を見せてくれました。ただ、道中は馬込みで、このペースでも少し力んでいました。馬込みで揉まれる形は、あまり良くないのかもしれません。外に出したかったようですが、ココナッツブラウン、その次はマスクトディーヴァに阻まれる格好。直線に向いて外へ出す機を窺いますが、進路がなく内へ。最後はレミージュに寄られて万事休す。スムーズでも外の馬の勢いが上でしたが、全体に苦しい競馬であったことは確かです。

 人気のブレイディヴェーグは②着。課題であったゲートは今日も出遅れました。そこからは無理をせず後方で待機。4角ではブライトジュエリーに押し込められて、なかなか動けませんでした。直線もなかなか前が開かず少し追い出しを待たされる形。それでも前が開いてからの脚は秀逸。勝ち馬とは位置取りの差でしょう。この馬も走ります。しっかりと権利も確保し、前哨戦とすれば悪くなかったはず。ただ、京都の内回りで行われる本番もゲートが鍵であることは間違いないでしょう。マラキナイアはプラス14㎏でしたが、仕上がりは良かったです。レースは折り合い重視で後方から。中団馬群から少し離れた位置を追走。直線でラファドゥラに内から寄られる不利。最後は外からよく追い上げており、秋華賞の優先出走権は確保。

 アンリーロードはスタートで出遅れ。道中はブレイディヴェーグを見る形から直線入り口でその内へ。展開も向きましたが、狭いところから脚を伸ばして3着とはクビ差。権利獲りまでもう少しでした。ココナッツブラウンは好位直後の外め追走。直線で一瞬伸びかけましたが、展開的に厳しい位置でたし、マイナス14㎏の影響もあったはず。それを考えると地力は高いです。ソーダズリングはこの速い流れでも行きたがっていましたが、何とかなだめて枠なりで好位のイン。直線で外に持ち出して追い出しにかかりますが、伸びを欠きました。ブライトジュエリーは初めての右回りとあってコーナーでは外に張って、直線も伸び切れず。鮫島克駿騎手によると「ほんとなら抱えていきたかったのですが、3~4角でも左へ張っていました」とのことでした。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。