10月8日(日曜)に東京競馬場で行われた第74回GⅡ毎日王冠(芝1800m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)はエルトンバローズ(単勝4番人気)が優勝。管理する栗東・杉山晴紀調教師、騎乗した西村淳也騎手ともに毎日王冠は初勝利。エルトンバローズは北海道浦河町桑田牧場の生産馬。馬主は猪熊広次さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 戦前は逃げ争いが激しくなると考えていましたが、ウインカーネリアンがポンと好スタートを決めたことで、バビットは引かざるを得ない状況に。前半1000m通過は59秒5とスローペース。最後は瞬発力勝負となりました。

 

 

 

 

【レース分析】 エルトンバローズ(4番人気)はパドックで落ち着きがあり、身のこなしは滑らか。いい仕上がりでした。接戦を演じた上位4頭の中では最も上手に立ち回りましたし、絶好のレース運びでした。好位のインに陣取り、直線もスムーズに進路が確保できました。最後はGIホース2頭の追い上げを振り切ったのは立派の一語。レースセンスの良さ、立ち回りのうまさがストロングポイントですね。

 

 

 

 

 「乗った感じは外の方が優勢かな、と思っていましたが、勝てて嬉しいです。今回がコンビを組んで4走目ですが、本当に一戦一戦、力をつけています。凄いメンバーで戦わせていただいて、この馬の経験値も上がると思いますし、今後が本当に楽しみです。大人になった感じで、どんな競馬でもできます。仕掛けたらビュンと行きますし、頭が下がります。今日は最初から流れていたので、無理に追走せずこの馬のリズムで運びました。直線はグイグイでしたし、前が開けば伸びてくれる印象でした。3歳で伸びしろしかない楽しみな一頭に出会えました。成長力が凄く、大きな舞台でも楽しみです」とレース後に西村淳也騎手はコメント。未勝利から4連勝。ラジオNIKKEI賞に続いて重賞を連勝と上昇ぶりは素晴らしい3歳馬。次走は未定ですが、このまま順調に成長していけばマイル~中距離戦線で大仕事を成し遂げて不思議ありません。

 

 

エルトンバローズの4代血統表

 

 

 ソングライン(1番人気)は次を見据え、馬体は若干立派に映りましたが、もともとがボリューム感のある造り。気になりませんでしたし、脚取りは軽やか。力の出せる仕上がりでした。直線はシュネルマイスターを内に封じ込めてから、狭いスペースを割ってきました。これで勝っていれば完璧でしたが、勝ち馬とは斤量差もありました。その点を考慮すれば負けて強しの②着と言えます。シュネルマイスター(2番人気)もプラス体重でいくらか太く見えましたが、もともとの体形も考慮すれば許容範囲内。柔らかみは十分で力を出せる状態に仕上がっていました。直線でソングラインに蓋をされ、仕掛けを待たされましたが、外に切り替えてからは目立つ伸び脚で③着。GIホースの面目は保ちました。

 

 

 

 

 アドマイヤハダル(7番人気)は馬体に無駄肉がなく、踏み込みに力強さがあって気配は良好。終い勝負に徹し、最速の上がりで直線はまとめて交わせそうな勢いでした。最後は僅かに競り負けたわけですが、改めて能力の高さは示した格好。ウインカーネリアン(5番人気)は結果的に後続を引きつけ過ぎたかもしれません。瞬発力勝負で見劣ってしまいました。ペースを緩めず、そのまま後続を離して逃げた方がチャンスはあったのかも。ただ、この馬はマイルがベスト。1800mが若干長い印象もあります。ジャスティンカフェ(3番人気)はいい意味でうるさく、気力は旺盛。馬体もきっちりできていました。スタートは敢えてゆっくりと出す感じで、最後方に控え、折り合いに専念。ペースが緩んだことが誤算。追い上げに脚を使ってしまった分だけラスト100mで勢いが鈍ってしまいました。

 

 

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

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