5月5日(日曜)に新潟競馬場で行われた第46回GⅢ新潟大賞典(芝2000m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は7番人気のヤマニンサルバムが優勝。管理する栗東・中村直也調教師、騎乗した斎藤新騎手とも当レースは初勝利。ヤマニンサルバムは北海道新冠町錦岡牧場の生産馬。馬主は土井肇さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 主導権を握ると思われたセルバーグがスタートで躓き、代わりにデビットバローズが自然体でハナに立ちましたが、外のヤマニンサルバムも行きっぷり良く前につけて、2~3ハロン目あたりは2頭の併走状態。ただ、この区間もペース自体は上がっておらず、その後はヤマニンが前に出るとデビットは2番手に控えて、終始、淡々とした流れ。3コーナー手前からセルバーグが追い上げた時にもラップに変化はなく、全体的には新潟の外回りらしいスローペース。前で運べる先行力か、速い上がりに対応できる瞬発力が要求される展開になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったヤマニンサルバム(7番人気)は前走の金鯱賞が2桁着順だったせいか、少し人気を落としていましたが、その前回から8キロ減と体が絞れて好仕上がり。テン乗りだった鞍上も馬の気持ちに逆らわない見事な騎乗ぶりで、積極的な立ち回りから後続の追撃を封じました

 

 

 

 

 「1週前追いでコンタクトを取らせてもらって、馬はいい状態だと感じていました。まずはチャンスを頂いた馬主さんや先生、多くの関係者に感謝したいです。力のある馬なので、うまくエスコートできれば、勝てるチャンスはあると思っていました。ペースが遅く、2番手では力みそうだったので、この流れならと思ってハナへ行きました。直線に向いての手応えは十分で、追い出してからの反応も良かったです。あとは馬を信じて追うだけでした。ハナでも番手でも自在性のある馬ですし、これから更に活躍してくれると思います」とレース後に斎藤新騎手はコメント。スローペースの展開や内が荒れてきた馬場の外枠と、有利に運べる材料はありましたが、鞍上のコメント通り、それをフルに活用できる自在性があっての勝利。本来は左回りが得意な馬でもありますし、今後も適した舞台に出走してくれば、相手が強化されても目の離せない存在になりそうです。

 

 

ヤマニンサルバムの4代血統表

 

 

 ②着のキングズパレス(3番人気)は互角のスタートから折り合いに専念して、中団の後ろに位置。馬場のいい馬群の外めを常にキープし、本格的に追い出されたのは直線を向いて残り500mあたりから。今回はモタれる面もあまり見られず、勝ち馬にハナ差まで迫ったところがゴール。やはり距離は2000mがベストの印象ですし、重賞でも通用するだけの能力は明確に示しました。③着ヨーホーレイク(2番人気)は数字上は上がり最速でも、枠順的に馬群の最内を追走する形になり、直線も前を捌きながら伸びてきましたが、②着馬ほど切れる脚は使えなかった印象。それでも少し窮屈な競馬で馬場の悪いところを通り、59キロのハンデも背負いながら、馬券圏内を確保したのは立派の一語。内容的には上位2頭と互角か、それ以上の評価をしていいと考えています

 

 

 

 

 一方、1番人気に支持されて、本紙予想でも◎にしていたレーベンスティールは、直線で伸びを欠いて⑩着。直後は香港での大敗が尾を引いていたのか、と思いましたが、レース後の津村騎手は「イレ込んでレース前のテンションが高かったです。それに一歩目にトモを落としましたし、3~4コーナーでは後ろの馬が乗りかかってきた感じで‥‥。全体にチグハグになってしまい、かわいそうなレースでした」とコメント。確かにパトロール映像を見直すとスムーズさを欠くシーンがありましたし、鞍上も最後は無理をしていなかった様子。今回が力負けでないことは確かですから、立て直して臨む次走で真価を問いたいところです。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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