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第85回菊花賞 回顧

 

 

2024年10月20日(日) 5回京都6日

 前日に11ミリの降雨があり、日曜芝は稍重スタート。5Rには良馬場に回復したが、多くの馬が直線では内を空けていた。レースラップを三分割すると62秒0─61秒7─60秒4。スタート直後はエコロヴァルツが外から押して押して先頭。直後にダービ―馬ダノンデサイルがつける。序盤は落ち着いた入りだったが、スタンド前でノーブルスカイが先頭に立ち、それを更に外からメイショウタバルが交わして行く。その上、柴田善臣騎手が「折り合いがまったくつかなかった」と語ったピースワンデュックが馬群の中を他と接触しながら進んでいき、1角で先頭へ。このあたりのラップが11秒7─12秒4。これはトーホウジャッカルが2014年にJRAレコードをマークした菊花賞時と同じ数字。ゴチャついた流れ、馬場状態を考えると、かなり速かったことが窺える。ここで前にいた馬は最後に軒並み止まった。逆に掲示板に載った5頭はすべて中団よりも後ろの位置。前半の位置取りが勝負を分けたポイントの1つだったと言えよう。気付けば1番人気ダノンデサイルは中団の位置まで下がっていた。

 2周目の向正面に入って縦長だった馬群は凝縮。後方にいた有力馬も徐々に外から追い上げていく。4ハロン標では後方にいたアドマイヤテラが外から先団に並びかけて、坂の下りで11秒9とペースアップ。アーバンシック、ヘデントールもこの動きに呼応。ここで2つめのポイント。先行していたノーブルスカイがズルズルと後退。その後ろにいて余波を受ける馬がいたし、ダノンデサイルは内で動けず、4角では後方まで下がってしまった。「かわいそうだったね。これも競馬だし、仕方ない内容。最悪な流れになったなかで、本当によく頑張っている」と横山典弘騎手。ノーブルスカイを境に内にいた馬と外にいた馬とでも明暗を分けた。

 勝ったアーバンシックは4角でアドマイヤテラのすぐ後ろ。序盤は中団後ろでじっくりと脚をためて、アドマイヤが先に動いた時も落ち着いていた。直線ではこれを目標にひと差し。「途中で息も入ったし、冷静に走ってくれたね。だんだんとペースアップした時には勝てると思った」とルメール騎手。終わってみれば2馬身半差をつける完勝だった。ヘデントールとアドマイヤテラは最初のスタンド前では最後方。ヘデントールはアドマイヤテラを常に追いかける形でマークしていたが、4角で勝ち馬に前に入られてしまったのが少し悔やまれる。アドマイヤテラは前半はじっくり。坂の下りでロングスパートはこの枠順でほぼ作戦通りだろう。「やりたいレースはできた。4角も最高のポジションで回れたが、最後は決め手の差が出たかな」と武豊騎手。

 ショウナンラプンタは馬込みで折り合いをつけてレースを進めて、2周目の勝負どころで勝ち馬の後ろを取れたのが大きかった。「世代トップクラスのなかでもしっかりと力を示す走りを見せてくれました。完成する姿が楽しみですし、完成すれば凄くいい馬になると思う」と鮫島克駿騎手。②着とはタイム差なしの④着。単複を持っていた自分は悲しかったとです。ビザンチンドリームも②着とはコンマ1秒差。出遅れて序盤は集団の後尾。4角でのゴチャついて躓く不利があったことを考えると、よく追い上げている。コスモキュランダは出遅れて、1周目の3角では頭を上げて折り合いを欠いていた。スタンド前は内に入れて折り合いに専念しているうちに後方へ。2周目向正面で外に出し追い上げ態勢に入り、3~4コーナーではヘデントールについて上がっていったが、直線で思うように伸びず、最後は追うのを止めていた。「直線に向いて伸びずバラバラになってしまいました。何かあったのではないか、心配です」とM.デムーロ騎手。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。