12月22日(日曜)に中山競馬場で行われた第69回GⅠ有馬記念(芝2500m・3歳以上・定量・晴れ・良馬場)は4番人気に支持されたレガレイラが優勝。管理する美浦・木村哲也調教師、騎乗した戸崎圭太騎手とも有馬記念は2勝目。レガレイラは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
▲ドウデュースは出走取消
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【展開・ペース】 スタート後、べラジオオペラを制し、最内枠からダノンデサイルが先手を主張。隊列が決まったあとは、流れが落ち着いて前半1000m通過は62秒9というスローペース。道中で目立った動きもなく、本命に推したべラジオオペラには絶好の展開に見えましたが、向正面で強い追い風が吹いていた影響もあってか残り5ハロン地点から11秒台のラップが続いたことはダノンデサイル、ベラジオオペラにとっては誤算だったかもしれません。
【レース分析】 レガレイラ(4番人気)は全身を使って弾力のある動き。3歳秋を迎え、腰やトモがしっかりしてきました。これまではスタートが遅かったですが、体が成長したことで好位のポジションが取れました。強い風の中でしたから前を走る馬を風除けにできたのも良かったですね。折り合って脚がたまり、残り1000m地点からペースが上がったことで、余力のない馬は自然とふるいにかけられますから進路も開きました。直線に向いてからは激しい叩き合い。最後は54キロの斤量も生かしてシャフリヤールとの追い比べを制しました。
「まずレガレイラに感謝したいです。スローペースでしたが、スタートが鍵だと思っていました。少し遅れましたが、二の脚が良くてスムーズにいいリズムで走ることができました。最後は接戦でした。反応はしていましたが、気持ちで負けないようにと思って乗っていました。勝ったかどうかは分かりませんでしたが、勝てて心の底から嬉しさが込み上げています。依頼をしてくれたオーナーとスタッフに感謝です」とレース後に戸崎圭太騎手はコメント。レガレイラ自身の状態が素晴らしかったこと、そしてスタートなどの改善に取り組んだ陣営の努力が見事に結実。初めてのコンビながら序盤から隙のない完璧な立ち回りを実現した戸崎騎手の騎乗も非の打ちどころがありませんでした。
▲レガレイラの4代血統表
シャフリヤール(10番人気)は馬体が若々しく、少しうるさいくらいで気力も旺盛。昨年より調整過程が順調で、状態は良く映りました。戦前、陣営から逃げを示唆するコメントもありましたが、スタートを出た状況や、他馬の出方もあって中団の外目を追走。馬群が固まり、終始外を回らされるロスがありながらもハナ差②着ですから、最も強い競馬をしています。ダノンデサイル(2番人気)はエピファネイア産駒で気性の激しさはありますが、パドックでは落ち着き十分。厩舎が大事に育てている成果で、春よりもひと回り馬体が成長し、柔軟性が増してパワーアップしていました。隊列に大きな変化はなくても、後続が早めに動いてきますから道中でペースを落とし過ぎた部分はあったでしょうか。
べラジオオペラ(3番人気)は2人引きでもテンションが上がらず、ハツラツとした動き。馬体がグッと締まり、上積みが感じられました。ハナに行く構えを見せましたが、ダノンデサイルに譲って2番手。途中までは理想的なレースができましたが、早めにペースが上がったことで、スタミナを削られましたね。それに、本質的には2500mは微妙に長いのかなという印象を持ちました。ジャスティンパレス(4番人気)はディープ産駒らしい均整の取れた造りで、シャープな脚捌き。秋3戦目でも疲れを見せず、気配は良好。課題のスタートは出たのですが、展開が不向き。ローシャムパークあたりが途中で動いてくれれば、結果も違ったかもしれませんが・・・なかなか噛み合いませんね。
text by 京増 真臣
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