4月26日(土曜)に東京競馬場で行われた第32回GⅡ青葉賞(芝2400m・3歳・馬齢重量・曇り・良馬場)はエネルジコが優勝。管理する美浦・高柳瑞樹調教師は青葉賞は初勝利。騎乗したC.ルメール騎手ともに2勝目となった。この結果、エネルジコ、ファイアンクランツが日本ダービーの優先出走権を獲得した。エネルジコは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 スタート直後は各馬、ライバルの動向を見ながらゴール板前を通過。仕掛けてハナを主張する馬はおらず、ガルダイアが自然体で主導権を握り、少し離れてパッションリッチが続きました。前半3ハロンは35秒1。その後、中盤は緩みましたが、序盤の入りが速かった分だけ先行タイプには厳しい展開だった印象。直線に向いてからは好位より後ろで運んだ馬たちの脚比べとなりました。
【レース分析】 エネルジコ(1番人気)は後方に控えて折り合いに専念。C.ルメール騎手は初騎乗でしたが、とにかくリラックスして走らせることに主眼を置いているように映りました。直線に向くと何度も手前を換えながら伸びてきます。ラスト2ハロンが加速ラップとなりましたが、最後の最後まで脚を残し、ゴール寸前で差し切った鞍上の手腕は見事のひと言。
「3回目の競馬でレース前はテンションが高かったので心配しましたが、スタートしてすぐに落ち着いて、リラックスして走ってくれました。2400mも問題なかったです。最後はずっと伸びてくれましたが、前の馬も凄く頑張っていたので、最後の最後で届きました。何度も手前を替えたりしてまだ子供です。これから良くなる馬で伸びしろがあります」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。青葉賞は今年から2回東京開幕週の施行となったため、日本ダービーまでの間隔が従来の中3週から4週に。青葉賞優勝馬は日本ダービーを勝てないというジンクスがこれによって覆るのかどうかも含め、本番が楽しみですし、これからのエネルジコの調整過程にも注目したいところです。

▲エネルジコの4代血統表
ファイアンクランツ(2番人気)は道中で行きたがる仕草を見せましたが、リズム良く追走。直線は迷わず外へ。外からの差しが利くトラックバイアスを考慮すると理想的な進路取り。内のゲルチュタールに馬体を寄せ、これは捉えましたが、更にその外から勝ち馬が強襲。僅かにクビ差敗れ、新馬戦以来の勝利はまたもお預けになりましたが、ダービーチケットは獲得しました。ゲルチュタール(4番人気)は前走から馬体重が14キロ減。多少、細く映りました。気持ちが途切れないように、そして上がり勝負では分が悪いこともあって直線に向くとすぐに鞍上がゴーサインを出しました。ジワジワと伸びて首位争いに加わりましたが、ゴール寸前で外の2頭に伸び負けて僅差③着。優先出走権を獲得できませんでしたが、中身は濃く、収穫はあったのではないでしょうか。
レッドバンデ(3番人気)は内ラチ沿いの経済コースを通って直線へ。狭い内を突き、一旦は先頭に立ちましたが、外から馬たちに交わされて④着。未勝利を勝ったばかりですが、重賞で通じる力があることを証明しました。⑤着はアマキヒ(7番人気)。直線で前が開くと脚を見せましたが、結果は鋭さ負け。レース前は気持ちが入り過ぎるなどまだ若さを残している段階。気性が成長してくれば血統背景からも大舞台での活躍が見込めるでしょう。
text by 藤原 有貴
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