6月14日(土曜)に函館競馬場で行われた第32回GⅢ函館スプリントS(芝1200m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)は2番人気に支持されたカピリナが優勝。管理する美浦・田島俊明調教師、騎乗した戸崎圭太騎手とも当レースは初勝利。カピリナは北海道新ひだか町谷岡牧場の生産馬。馬主は(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

ミリアッドラヴは競走を中止した

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 全体的には真ん中から外枠の方がスタートが良く見えましたが、インビンシブルパパが二の脚を利かせてハナに立つと、すぐ内にいたカルチャーデイは競りを避けるように、2番手で折り合う形を選択。前半3ハロン32秒5は一見すると、速く見えますが、同じ芝1200mだった7Rの3歳以上1勝クラスが32秒6、しかも逃げた馬が②着に粘っていましたから、むしろGⅢとしては緩めとも言える流れ。開幕週の芝コースらしく、先行、内有利の決着となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったカピリナ(2番人気)はスタートで躓きましたが、難なく挽回して道中は中団のイン。すぐ前にいた②着馬をマークするような形から直線では先行した馬の間を突き、最後までしっかりと伸びて、ゴール前の競り合いも制しました。

 

 

「写真判定が長かったですし、(勝つことができて)ホッとしました。重賞で戦ってきて力をつけていますね。二の脚はありますが、(前回より)距離が短くなるので、スタートを決めて、ある程度は前につけたいと思っていたんです。条件は合うと見ていましたし、(所属している)田島俊明厩舎の馬で勝てたことが何より嬉しいです。ベリーベリーホースですね(笑)」とレース後に戸崎圭太騎手はコメント。この日の馬場状態を考えるとコースレコードでの決着自体は過信できず、水準程度の決着時計と見ていますが、昇級3戦目で重賞タイトルを手にした馬の成長は鞍上の言葉通りでしょう。コースも問わないタイプですから、続戦すればサマースプリントシリーズの主役候補になりそうです。

 

カピリナの4代血統表

 

②着ジューンブレア(3番人気)は個人的にハナを切る形がベストと見ていましたが、今回は最内枠から好位のインに収まる理想的な立ち回り。最後は勝ち馬と決め手の差が出た感じですが、着差は僅かにハナ。最内から2頭目、逃げ馬のすぐ外を突いた相手と若干、コース取りの差がありましたし、控える競馬の経験値も比較すれば内容的には互角以上。洋芝への適性の高さも改めて確認できました。③着が本紙で○にしていたドンアミティエ(10番人気)で、初めての芝に関しては調教VTRで見たシャープな伸び脚から、少なくとも洋芝なら問題ないと確信していました。勝ち馬と同様、スタートで躓くロスはありましたが、行き脚がついてからは内枠を生かしたスムーズな立ち回り。直線も内からしっかり伸びました。もともと、ダートでもセンスのいい走りを見せていた馬ですし、今後の選択肢が広がったのは大きな収穫でしょう。

 

 

④着インビンシブルパパ(7番人気)も初芝に対応しての健闘でしたが、こちらは意外に同型に絡まれず、展開利が大きかったというのが正直な感想。馬格、走法を考えると、やはりダートの方がベターかな、という印象もあります。⑤着ペアポルックス(5番人気)は掲示板に載った馬の中で唯一、枠番が2桁で、スタートを決めて好位からの競馬ができた点も評価できます。もう少しタメれば切れる脚を使える印象もありますし、次走以降のレースぶりにも注目しておきたい1頭です。一方で◎にしていたナムラクレア(1番人気)は⑧着。開幕週の芝でスタートの出負けは痛恨でしたが、その後のリカバリーができなかったのは初めて背負った57キロの影響も考えられます。直線も内を突いて進路がなく、脚を余していたので力負けでないことは明白ですが、今回の舞台設定を考えれば、この負け方も事前に想定できましたから、断然人気を承知で本命の推したのは自分のミス。結果論ではなく、反省して今後に生かさなければ、と考えています。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止