
9月21日(日曜)に中山競馬場で行われた第71回GⅡオールカマー(芝2200m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)は1番人気に支持されたレガレイラが優勝。管理する美浦・木村哲也調教師は当レースは初勝利。騎乗した戸崎圭太騎手は通算3勝目となった。この結果、優勝したレガレイラが天皇賞(秋)の優先出走権を獲得した。レガレイラは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。

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【展開・ペース】 徹底先行型が不在。それを意識してリビアングラスとシュバルツクーゲルが序盤から積極的に運んでハナ争いを演じました。前半1000m通過59秒9は決して速いペースではありませんが、途中でフェアエールングがマクるように動いたことで後半1000mは11秒台のラップが続き、地力勝負となりました。


【レース分析】 レガレイラ(1番人気)はパドックでは2人引きでも落ち着きがありました。宝塚記念以来の実戦でしたが、馬体もキッチリと仕上がっていましたね。3歳時と比べて背中や腰がしっかりして可動域が広くなり、身のこなしは滑らか。スタートの出は今ひとつでしたが、そのあたりは鞍上にとっては想定内といったところ。そのまま後方待機策を選択しました。フェアエールングが早めに仕掛けてグンとペースが上がったことで、レースの組み立てが楽になりましたね。直線に向くと鮮やかに抜け出して快勝。メンバー中、唯一のGⅠホース。牝馬ながら57キロを背負っていましたが、ここでは役者が違った印象です。

「ほっとしていますし、レガレイラと一緒に勝てたことを嬉しく思います。返し馬の雰囲気は前走よりいい感じでした。ゲートの中で動いてしまい、うまくスタートを切れませんでしたが、陣営とも話していてポジションを意識せず、この馬のリズムで行くという作戦もありました。ドゥラドーレスに外から来られましたが、まだ早いと思ったので一度行かせて後ろでマークしていくような形を取りました。手応えが良かったですし、追ってからも反応して伸びてくれました。乗りやすくて最後の脚はいいモノがありますね。また競馬を盛り上げてほしいと思います」と戸崎圭太騎手はレース後にコメント。見せ場を作れなかった宝塚記念の敗戦が気掛かりでしたが、ホームと言える中山コースで本来の走りを披露。レガレイラの力を信じ、慌てることなく仕掛けを待った鞍上の判断は素晴らしく、また力を出せる状態に立て直した陣営の手腕も見事というほかありません。また②着には兄ドゥラドーレスが入り、JRAの平地重賞では史上初となるきょうだいワンツーとなりました。

▲レガレイラの4代血統表
パドックを周回するドゥラドーレス(2番人気)は気迫に溢れていましたね。馬体は逞しく、迫力満点。上々の仕上がりに映りました。フェアエールングが上昇したのに合わせてポジションを押し上げ、勝ちパターンに持ち込みましたが、最後は妹であるレガレイラに交わされて②着。「レガレイラが強かったです」というC.ルメール騎手のレース後のコメント通り、今回は妹を褒めるべきでしょう。ヨーホーレイク(4番人気)は休養前より馬体が締まり、仕上がりは悪くありませんでした。スタートで後手を踏み、後方を進む形。早めにスパートする馬が多かったことで展開の恩恵はありましたが、直線に向くとしっかり脚を伸ばして③着。良化余地は大きく、次走で前進が期待できそうです。

フェアエールング(8番人気)はホライゾネットを着用。テンションが上がらず、気性面の成長は窺えました。ペースの緩んだ向正面で一気に先頭へ。絶妙なタイミングで動けましたね。結果的に上位3頭の瞬発力に屈しましたが、輸送競馬でもこれだけ走れたのは収穫。次走がエリザベス女王杯であればチャンスがありそうです。ホーエリート(3番人気)はハツラツとした動きで、馬体もきっちりとできていました。3番手のインに収まりましたが、道中でフェアエールングなどが動いてポジションを下げざるを得なかったのが悔やまれます。直線では盛り返すように伸びてきましたが、結果的に脚を余す形に。コスモキュランダ(5番人気)は札幌記念を使って馬体が締まり、上積みは感じられました。スタートで後手を踏み、二の脚で挽回して5番手へ。向正面ではフェアエールングの仕掛けに合わせて脚を使ったこともあって、さすがに直線に向いてから後続に迫られると抵抗できませんでした。
text by 京増 真臣

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