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第30回 武蔵野S 回顧

 

 

11月15日(土曜)に東京競馬場で行われた第30回GⅢ武蔵野S(1600m・3歳以上・別定・晴れ・良馬場)はルクソールカフェ(3番人気)が優勝。管理する美浦・堀宜行調教師は武蔵野Sは2勝目。騎乗したD.レーン騎手は初勝利となった。ルクソールカフェは米国産。馬主は西川光一さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想通り初ダートでも、芝スタートで行き脚のついたアサカラキングが難なくハナに立ち、ウェットシーズンなどが続く形。2ハロン目こそ11秒1と速かったですが、その後は12秒前後のラップが続いて、上がりの3ハロンも11秒台と最後まで数字が落ちることはなく、緩みのない流れから地力が問われる展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったルクソールカフェ(3番人気)は米国遠征→大井のJDクラシックを経て、久しぶりのJRA出走でしたが、いい意味で特に変わったような様子はなく、レースでも大外枠からスムーズに好位をキープ。道中はすぐ前にいたペプチドナイル(⑨着)を目標にするような形で直線へ。残り2ハロンで鞍上が気合をつけると反応良くギアが上がり、ラスト1ハロンの手前で本格的に追われて先頭に立つと一気に集団から抜け出し、そのまま後続も寄せつけずにゴールまで駆け抜けました。

 

 

「とてもいい勝利でした。馬の状態や手応えも良く、最後もいい瞬発力を見せてくれて、強い勝ち方を見せることができました。(騎乗するのは新馬戦以来でも)いろいろな成長を見せてくれました。精神面や身体的にも、全体に力がついてきていますね」D.レーン騎手はレース後にコメント。揉まれる心配のない大外枠も好都合だったでしょうが、それにしても初めての年長馬との対戦とは思えないほど危なげのない勝ち方で、斤量差が云々のレース内容ではありませんでしたね。これで3歳馬全体のレベルが高いと判断するのは早計な気がしますが、世界最高水準にある4歳トップクラスなどとの対戦が非常に楽しみになりました。

 

ルクソールカフェ4代血統表

 

②着コスタノヴァ(1番人気)はスタートで大きな出遅れ。それでも、集団に追いつくのにそれほど時間は要さず、そこからは後方のインで脚をためて、ロスを最小限にする立ち回り。直線でも徐々に馬群の外めに誘導して、最後までしっかりと脚を伸ばし、接戦になった②着争いを制しました。勝ち馬との着差を考えると、負けて強しという表現は適切ではない気がしますが、改めて地力を示したことは確か。やはりこの東京ダ1600mがベストの条件ですね。③着ビダーヤ(4番人気)は最内枠から道中は中団のやや後ろめ。しっかりと脚をためて直線も馬群の中を突いて伸びてきました。前を捌きながら、上がりの数字が上位馬と遜色なかった点は評価できますし、レース後に鞍上もこのメンバーで1600mをこなせたのは大きな収穫と語っていました。

 

 

④着サンライズフレイム(7番人気)も勝ち馬を見る位置取りから②着とはハナ+アタマ差で、③着馬と同様、マイルの距離に、はっきりとメドの立つ内容。過去にも1度も掲示板を外していない堅実さ、相手なりに走れる長所も改めて確認できました。そして⑤着が自分が◎にしていたロードフォンス(8番人気)で、前走と違ってスタートも決まり、流れに乗っていましたが、若干、馬が行きたがる感じも。その分だけ弾けなかった印象で、距離は1400mの方がレースはしやすそうですね。それでも②着との着差は僅かでしたし、5歳でも伸びしろはありそうな気がしています。一方で案外だったのは2番人気で⑦着に終わったオメガギネスで、時計的にも60キロを背負いながら強い勝ち方だった前走ほどは走れていません。鞍上はサラサラした馬場を敗因に挙げたようですが、スタートを含めてアテにできない面が残っているのかも、というのが正直なレース後の感想です。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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