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第30回 東京スポーツ杯2歳S 回顧

 

 

11月24日(月曜)に東京競馬場で行われた第30回GⅡ東京スポーツ杯2歳S(芝1800m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はパントルナイーフ(3番人気)が優勝。管理する美浦・木村哲也調教師は、騎乗したC.ルメール騎手とも東京スポーツ杯2歳Sは2勝目。パントルナイーフは北海道新冠町新冠橋本牧場の生産馬。馬主は(有)キャロットファーム

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 枠の並びもあってテルヒコウがハナを切りました。内からラストスマイルも譲らないような格好でしたが、1000m通過は61秒0とスローペース。ただ、サレジオが動いた6ハロン目が11秒5。残り4ハロン地点からペースが上がったこともあって、差し馬が台頭する結果になりました。

 

 

【レース分析】 パントルナイーフ(3番人気)はマイラーのような逞しい馬体の造り。脚捌きは力強かったですね。レース序盤は中団を進み、サレジオが動いたことで、スムーズに押し上げることができました。直線に向くとゾロアストロと併せるようにして脚を伸ばし、そのゾロアストロを僅かに退けて重賞タイトルを獲得。将来的にはマイル前後の距離が活躍の場になりそうなイメージはありますが、出世レースを制したことで今後が楽しみになりました。

 

 

「道中のポジションは良かったと思います。前半はペースがちょっと速かったのですが、彼は長い手綱でリラックスした走りができていました。直線の坂を駆け上がっても手応えが良く、その後フルスピードで走るように指示を出したらギアを上げてくれました。デビュー戦の頃は超子供でしたが、レース毎に強くなり、自身の仕事が分かるようになってきましたね。まずは重賞を勝ちましたが、まだ伸びしろがありますし、トップレベルの走りができるようになる馬です。この先の目標はGⅠです」C.ルメール騎手はレース後にコメント。同じ木村厩舎の先輩、イクイノックスをはじめ、ワグネリアン、コントレイル、クロワデュノールなど優勝馬にはのちのGⅠホースの名前がズラリ。まだまだ心身とも幼い面を残していますが、その分だけ伸びしろも大きいと言えます。

 

パントルナイーフの4代血統表

 

ゾロアストロ(5番人気)は前回より体が引き締まり、ハツラツとした雰囲気。前走は出遅れて反応も鈍かったですが、一転し、今回はメンバー最速の上がりを駆使して鋭い伸び。アタマ差だけ届かず、②着に終わりましたが、能力の高さを証明しました。ライヒスアドラー(2番人気)はデビュー戦より馬体の緩さがなくなり、バランスがグンと良くなっていました。好位のインに収まりましたが、3コーナー付近でチュウワカーネギーサレジオが動いたことにより、内に押し込められてポジションが後退。直線は狭い内ラチ沿いを突きましたが、脚を見せましたが、③着止まり。スムーズに運んで力を出し切れれば重賞獲りは可能な素材です。

 

 

テルヒコウ(7番人気)は父であるコントレイルに似た均整の取れた造り。先手を奪い、スローペースに落とせましたが、サレジオが追い上げてきたことで、早めに動かざるを得ませんでした。あと1ハロン仕掛けを我慢できていれば、もっと際どいレースになったはずです。ラストスマイル(10番人気)は好馬体が目を引き、柔らかい身のこなし。瞬発力勝負で後れを取りましたが、自身は渋太く脚を使っていました。センスがいいですね。1番人気ダノンヒストリーは⑦着。出遅れて後方を進むことになったのは痛恨でした。課題が見えた格好ですが、スムーズに先行が叶えば大きく変わって驚けません。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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