豪脚武器に下剋上達成

 

 2017年7月30日(日)2回新潟2日目11R第17回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)は、単勝8番人気のラインミーティア(父メイショウボーラー×母アラマサフェアリー)が優勝。血統表を見ますと母母父にオグリキャップの名前が。直線競馬を中心に実績を積み重ねると同時に持ち味の末脚を磨き、7歳にして見事に重賞タイトルを獲得しました。鞍上の西田雄一郎ジョッキーは2010年にケイティラブでアイビスサマーダッシュを制して以来となる重賞制覇。直線競馬を得意とする鞍上が相棒の末脚を存分に引き出しましたね。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 54秒2

11.8 – 10.0 – 10.4 – 10.3 – 11.7

 夏の新潟開幕週の芝は良好なコンディション。当日9Rの新発田城特別(芝1400m・3歳以上500万下)では1分20秒4という好タイムがマークされるなど時計の出やすい馬場でした。パドックで目についたのはラインミーティア。外目をキビキビと周回し、活気十分。状態の良さが感じられました。1番人気のフィドゥーシアは落ち着いてゆったりと歩けていました。牝馬だけに極端にテンションが上がっていなかったのは良かったと思います。

 スタート後、出脚がついたフィドゥーシアがスーッと外ラチへ進路を取ります。大外枠のアクティブミノル、14番枠のレジーナフォルテも促しながら前へ。この3頭が少し後続を離してレースは中盤戦に進んでいきます。

 勝ったラインミーティアは15番枠からスタートし、中団を追走。馬群が馬場の真ん中付近に固まったこと、そして前を行く3頭と距離があったことで序盤は外ラチ沿いをゴチャつくことなくスムーズに追走できました。残り2F手前で西田騎手が左ムチを入れるとグングン加速して前へ接近。最後はフィドゥーシアアクティブミノルの間に出来たスペースに飛び込み、ゴール寸前で粘るフィドゥーシアを差し切りました。好枠からロスなく立ち回れたことが勝因ですが、鞍上が過去に何度も騎乗し、使える脚や仕掛けるタイミングを熟知していたのも大きかったですね。自身の上がり3Fは31秒6。準オープン在籍ながら重賞制覇。別定戦で56キロを背負ってのものですから本当に立派です。

 2着フィドゥーシアは1番人気らしく正攻法で勝ちにいくレース運び。結果はゴール寸前で勝ち馬の決め手に屈してしまいましたが、負けて強しと言える内容。スプリントGⅠを制したビリーヴの娘。本格化ムードが感じられ、1200mにも高い適性がありますから今後も短距離重賞戦線では目が離せませんね。3着は3歳牝馬で軽量51キロを生かして粘り込んだレジーナフォルテ。昨年夏は直線1000mの2歳レコードをマークして勝ったコース巧者。54秒台の決着に対応できた点も評価できますし、来年のアイビスSDでは主役に成り得る存在です。

        text by 藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。