第53回 中日新聞杯(G3)

 

1:59.3(12.5 – 10.8 – 12.7 – 12.6 – 12.1 – 12.2 – 12.1 – 11.6 – 11.2 – 11.5)

 勝ち時計1分59秒3は、2012年のコース改修後の中日新聞杯で最も速い決着。1コーナーでロードヴァンドールがハナを取りきってからは流れ落ち着き、向正面の下りからジワジワとペースが上がるのは例年通り。ただ、レース上がりは34秒3。ラスト1ハロンはほとんど落ち込まなかったように例年とは少し違った瞬発力勝負になりました。3月に行われていた昨年までと施行時期は異なるので鵜呑みにはできませんが、馬場は標準レベルでしたから数字的な価値は悪くないでしょう。上がりの競馬ですから基本的には前で運んだ馬、切れる脚を使った馬が上位を占めました。

 前述のロードヴァンドールは3着。道中は特に絡まれることもなくマイペース。直線に向くまで楽な手応えで、横山典弘騎手らしい逃げ。直線に坂のあるコースで上がり34秒6は、この馬としては目一杯の数字でしょう。今年3月に行われた金鯱賞は1分59秒2で2着。前半のペースは今回とほぼ一緒でしたが、真ん中2ハロンが11秒7-11秒7でレース上がり35秒1。うまく逃げているとは思いますが、今回は大事に乗り過ぎた感じも。テン乗りの影響はあったと思います。2着にはハンデ頭で1番人気のミッキーロケットが入りました。道中は好位勢の後ろの外。いいポジションでしたが、直線の入り口では後ろにいた勝ち馬に並ばれる感じで、明らかに勢いが違いました。なんとか逃げ馬を捉えたところでゴール。ハンデ差もあるでしょうが、コーナーで勢いをつけられませんでした。また、もっとタフな馬場の方が合っていると思います。それでも地力で2着。

 勝ったのはメートルダール。こちらは中団の後ろの外で運んで、そのままコーナーは外から馬なりでジワジワ進出。仕掛けると反応良く、瞬発力に特化したレースを制しました。ここまでは重賞で3着が3回。もう一歩でしたが、今日は最後まで脚が衰えず完勝。成長した姿を見せてくれました。

 研究ニュースの本紙本命で、3番人気に支持されたマウントロブソンは6着でした。レースはほぼ最後方から。2コーナーで内の馬が膨れて外に振られました。そこで少しスイッチが入ってしまったようで、力んでいましたね。この上がりの速い流れでミッキーと同じトップハンデを背負ってですし、最後は2着と0秒1差まで追い上げていますから頑張っていると思います。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。