2018年3月25日(日)2回中京6日。晴天の下で行われた第48回 高松宮記念は、2番人気に支持されたファインニードルが優勝。管理する高橋 義忠トレーナーは嬉しいG1初勝利となりました。川田 将雅ジョッキーはシルクロードS、小倉大賞典、弥生賞に続く、今年4つ目の重賞勝ちです。
馬主はゴドルフィン。ダーレーが馬主名義をゴドルフィンに変更して、ロイヤルブルーの勝負服に変わった直後のG1勝ちとなりました。生産者もダーレー・ジャパン・ファーム(有)。生産馬がG1を勝ったのは2010年NHKマイルCのダノンシャンティ以来です。関係者全員にとって大きな1勝となりましたね。それではレースラップへ。
1:08.5(12.0 – 10.3 – 11.0 – 11.4 – 11.5 – 12.3)
ハイペースの消耗戦。上がり35秒2は不良馬場だった2014年の37秒7、コース改修初年度で時計がかかり、1分10秒3の決着となった2012年の35秒8に次いで3番目に遅い数字。逆にテンは2ハロン目の10秒3も速いですが、3ハロン目の11秒0が速い。これは1分6秒台の決着となった2016年の10秒9に匹敵する数字です。結局、途中から先頭を奪ったダイアナヘイローはしんがり負けでした。かなりタフな馬場、レースだったと言えるでしょう。
ファインニードルは、「エロい体してたもんな。私が女性だったら一発で惚れる。写真集を出せるレベル」と呟いたように素晴らしい馬体でした。前哨戦のシルクロードSがプラス18㎏と余裕残しの仕上げ。今回はマイナス8㎏とキッチリと仕上げてきた陣営はお見事です。枠も外過ぎず、いい枠でした。道中は好位の後ろ。内から4列目と終始馬場の良いところを通れました。直線は外からナックビーナスと併せるような格好で脚を伸ばし、先に抜け出したレッツゴードンキをハナ差捉えたところでゴール。コース改修後、アドマイヤムーン産駒が2013年3着・2015年2着ハクサンムーン、2017年1着セイウンコウセイ、2018年1着ファインニードルと馬券に絡んでいることは覚えておいて損はないでしょう。
2着には2015年の桜花賞馬レッツゴードンキが入りました。スタートしてから内へ、そのままスンナリと中団のインに収まりました。勝ち馬より先に動いて、ラスト1ハロンで先頭に立ち、そのまま押し切るかと思われましたが……。ロスはありませんでしたが、その分、荒れた内を通らされる形。これで昨年の高松宮記念、スプリンターズSとスプリントG1で3戦連続の2着。あと一歩なんですけどね。3着は10番人気のナックビーナス。道中は勝ち馬の内でレースを進めて、直線でも外から勝ち馬と一緒に伸びてきました。三浦騎手の冷静な騎乗も光った一戦。
ダンスディレクターも惜しかったですね。道中はインでレッツゴードンキの後ろ。3角で少し引かされて頭を上げる場面がありました。そこからコーナーワークで挽回して、直線はレッツギードンキの更に内へ。頑張っていますが、3角がスムーズだったら、そして直線で外に出せていればといった内容。ブリザードは初めての左回り、荒れ馬場を考えると健闘。序盤は位置を取りに行った分、このペースでも力んでいました。ティータン騎手は「スタートもうまくいって、いい位置で運べた。ただ、直線を向いて、馬場の荒れていないところに出せたんだけど、深い馬場に脚を取られて、カラ回りする感じになってしまった」とコメント。
昨年の覇者セイウンコウセイは最内枠とあって、出していってハナへ。3コーナー手前ではダイアナヘイローに来られて厳しいペースになりましたが、こういった展開は得意な馬。ただ、勝負どころでダイアナヘイローの反応が悪かったこともあって、思ったよりも速く抜け出す形になったのが誤算だったかも。ラスト1ハロン付近で内からレッツゴードンキに交わされると抵抗できませんでした。1番人気だった レッドファルクスは8着。気配は良好。上がりはメンバー最速の33秒7でした。この2回中京の芝レースで上がり34秒を切った馬は、金鯱賞のスワーヴリチャード、サトノダイヤモンドと、この馬の3頭だけ。速い上がりを駆使するのが難しい馬場でした。加えて、旧コースを含めて、過去10年の高松宮記念の優勝馬は4角7番手以内という事実。もともと、ハイペースの消耗戦になりやすい高松宮記念は基本的に適性外であったかと。それでも、直線で外へ内へ進路を探しながら脚を伸ばしてきたのは、スプリントG1を2勝している底力でしょう。
text by 小林
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。