第53回GⅢ共同通信杯を制したのは単勝3番人気に支持されたダノンキングリー。デビューから無傷の3連勝で重賞制覇を飾り、クラシック戦線の主役候補に名乗りを挙げた。鞍上は戸崎圭太騎手。管理するのは美浦・萩原清調教師。ダノンキングリーは北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬。馬主は(株)ダノックス。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

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【展開・ペース】

 スタート後、アドマイヤマーズが自然体でハナを奪う。2番手にフォッサマグナが続き、ダノンキングリーは内の3番手を追走。隊列が決まってからはグッとペースは緩み、4コーナーを回って馬群がグッと凝縮。直線は瞬発力比べとなった。

【レース分析】

 ダノンキングリーはパドックを周回し始めた当初こそ、うるさい面を見せて心配したが、二人引きに替わると落ち着きが出てきた。レースを使われる毎に馬体にメリハリが出て、肉体面は前走時と比較しても格段に良くなっていた。

スタート後、好枠を生かしてスッといい位置につけ、あとは折り合いに専念。道中は隙がなく優等生と言えるレース運び。逃げるアドマイヤマーズをマークしながら、抜け出すタイミングだけを図り、最後はディープインパクト譲りの瞬発力をフルに生かせた。母系は短距離志向が強く、本質的にはマイル前後がベターに映るが、学習能力が高さは魅力。今回の勝ちっぷりからもクラシック候補の1頭だろう。

 「馬が良くなっていたのでワクワクしていました。1戦毎に何かしらの成長を感じられる馬はいいですね。2歳チャンピオンを前に見る形で倒せましたし、今後が楽しみです。こういう馬に乗れるのは幸せです。距離に関しては何とも言えませんが、折り合いは完璧だったのでもう1ハロンくらいは延びても大丈夫でしょう」戸崎圭太騎手。

ダノンキングリーの4代血統表

 アドマイヤマーズは先を見据えた仕上げではあったが、気合を表に出してパドックを周回。気配は良かった。手頃な頭数で、逃げ馬は不在。2歳王者として受けて立つ感じでハナへ。前半1000m通過61秒5のスローペースだった分、瞬発力比べではダノンキングリーに分があったか。ただすい、勝ち馬とは1キロの斤量差があり、また仕上げの差もあった。決して悲観する内容ではないだろう。

 ③着のクラージュゲリエは前走から12キロの馬体増。こちらも重賞を勝っており、クラシックを見据えた仕上げではあったが、上位2頭から4馬身離されてしまった。ペースアップした際にモタつき、また切れ負けした面もあったが、クラシック路線で逆転となるともう一、二段階の成長が必要か。

 ④着フォッサマグナはテンションこそ高めでも、馬っぷりはこのメンバーに入ってもヒケを取らなかった。今回はキャリアの差があっただけに仕方ない結果。まだまだ気性面の成長がほしいところだが、クラシック路線に乗ってきても不思議はない素材だ。

text by 京増真臣

 

 

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