2018年11月10日(土) 5回京都3日

 

 近5年で3度目の9頭立てとなった今年のデイリー杯2歳S。人気はアドマイヤマーズが1番人気で1.8倍。ダノンジャスティスが3.9倍、ドナウデルタが5.4倍で続き、4番人気のヤマニンマヒアで14.9倍ということで完全に3強ムード。

 スタートはアドマイヤマーズとメイショウショウブが速く、ヤマニンマヒアとハッピーアワーは出遅れて折り合いに専念。ダノンジャスティスは好位、ドナウデルタは中位を追走。3角過ぎの下りでドナウデルタの反応がひと息。ダノンジャスティスは4角から外に張り気味で遅れ、先行した2頭がリードを広げて直線へ。1ハロンまで並んでいたが、アドマイヤマーズが右手前に替えるともうひと伸び。4分の3馬身差をつけてゴール。メイショウショウブが2着。出遅れたハッピーアワーが追い上げて3着。伸びを欠いたダノンジャスティスは4着。ドナウデルタは盛り返しましたが5着でした。

 

 

 前半の半マイルが49秒5。後半が45秒9なので先行馬が残って当然の展開。2列目の馬がこのレース最速だった最後から2ハロン目の10秒8のところで反応できず、直線で伸びたのは3列目以降の馬だったので2,3着馬の間が2馬身半差もついてしまったのでしょう。着差ほど上位2頭の能力が抜けている印象は受けません。

 ただ、勝ったアドマイヤマーズは無敗の3連勝。3カ月ぶりでプラス12キロでしたが、すべて成長分といった感じ。今回は逃げ切りでもレースぶりが大人びていて、ダイワメジャー産駒。2歳戦で強さを発揮する要素が揃っています。母系が欧州血脈なので、更に相手が強くなって瞬発力勝負になった時の対応が課題となりそうです。半兄のダンシリ産駒フレッチアはマイル以下で活躍していますが、レース後のM・デムーロ騎手は「距離は延びても問題ないはず」とコメントしているので、古馬と対戦するまでは2000mもこなせそうです。

 2着のメイショウショウブは恵まれた部分が多いので、次走が本当の力を試される場となりそうですが、今回と同じ少頭数やペースが落ち着く展開なら引き続きチャンス。3着ハッピーアワーは自分の競馬に徹して折り合いや距離を克服。収穫の多い一戦となり、朝日杯FSに向けてメドが立ちました。個人的に期待の大きかったダノンジャスティスは4角で加速できなかったのがすべて。肝心なところで外に張ってしまい川田騎手は仕掛けることができませんでした。完成度の違いが出たのでしょう。かなりのピッチ走法ですが、今回だけでマイルが長いとは決めつけられません。ドナウデルタは直線で詰まって脚を余したのは確かですが、勝負どころで反応できないあたりは力がつききっていない証明なのかも。血統的にもパンとするのは来年以降な気がします。

text by 石井大

 

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