2019年 2月17日(日) 1回小倉4日

 マルターズアポジーをはじめとする逃げ馬が揃い、展開面も注目された今年の小倉大賞典。1番人気はその逃げ候補の1頭タニノフランケルで4.0倍。マイスタイルが5.6倍で続き、6番人気のレトロロックまでが10倍以下とハンデ戦らしく人気は割れました。

 レースはマルターズアポジーが出遅れるというまさかの事態が起き、最内枠から出ムチを入れてサイモンラムセスが逃げる展開。前半から2番手以下を離していきましたが、1000m通過は59秒4で平均ペース。4角までは逃げ切りもあるかという雰囲気でしたが、タニノフランケルとスティッフェリオが襲い掛かり、最後はスティッフェリオがタニノフランケルをクビ差交わしたところがゴール。福島記念に続いて重賞を連勝。全7勝中5勝がローカルの小回りで、残りの2勝も阪神の内回り。広いコースでも大崩れは少ないですが、小回りでは抜群の安定感。ハンデ2㌔増、馬体重10㌔増でも結果を出したことから、今が充実期なのでしょう。

 タニノフランケルは離れた2番手で逃げているようなもの。一旦は3番手以下を突き放して勝ちパターンにも見えましたが、ゲートを出てすぐに落鉄していたとのことで、最後はその影響があったのでしょう。この馬も小回りコースでは大崩れしません。

 盛り上げたのは大逃げで③着のサイモンラムセス。ハンデと展開に恵まれたことは否めませんが、自分の形になった場合は今後も注意が必要です。

 ④着ナイトオブナイツは短い直線で一瞬のキレを生かす競馬はできました。ロスなく内ラチ沿いを通れた点も理想的でしたが、この馬としてはもう少し速い流れになってほしかったでしょう。同じことは最後にようやくエンジンがかかって外から⑥着まで追い上げたマウントゴールドにも言えると思います。

 最後に⑩着マイスタイル、⑪着ケイティクレバーは2頭とも先行馬ですが、ハイペースを見込んだのかスタート直後から控える作戦。しかし、ペースが上がらず馬群が一団になったことで内に入るチャンスがなく、4角では中団より後ろで外を回る最悪の状態に。まったく競馬にならなかったが、コンマ6~7秒差には追い上げています。マルターズアポジーが出遅れた影響を大きく受けた印象が強く、次走で本来の先行策に出れば一変しても不思議はないでしょう。

text by 石井大

 

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